リサイクル親父の日記

第610話 義妹が・・・、嫁も、そして・・・

2012/09/01

そのアパートに入れば、誰でも一目で分かるだろう。
彼が1人で居て引越すのだが、家具や家電類はどう見ても妻帯であり赤ちゃんもいる筈だ。
もろもろを不要なので買取ってことは、離婚して、彼は実家に戻るだろうと想像できる。

検品して交渉もまとまって、運び出し作業にかかるのだが、俺は一応口にしてみた。
「あなたも・・大変そうですね」
すると彼は思いを吐き出すのだった。

ある日、突然ですよ、離婚調停にかけられて、何が何だか分からなかったんですよ。
探偵に調べさせてて、それで浮気したって・・・そりゃ、女の同僚とお茶飲んだりはしてますがね、それ以上は何も無いのに・・・探偵使うって、もうびっくりしましたよ。

子供は生まれて2ヶ月ですよ、時々、泣いてても世話をせずにボーっとしてたりしてね、だから注意はしたけど・・・
僕に狐が付いてるって、悪い霊がいるって、それが原因らしくて、何回か調停の場で話し合っても一向に聞こうともしないし、嫁さんは9つ下で25歳、お母さんと妹がやっぱり祈祷に凝ってて、スピリチュアルみたいなこと信じてるし。

1年前に妹がテレビに出てたスピリチュアルのXXXを、あれは私が言ってるのなんて、どうなっちゃってるの、それからはそんなことばかりになって、嫁さんはお母さんと妹の言うことしか、僕を相手にしなくなってしまって。
僕の父が何度も嫁のお父さんに連絡して、話をしようとしたが、なしのつぶてで、お父さんはお父さんで。

大手の会社で部長してるんだけど、会社ではまともだと思うけど、家ではお母さんに頭が上がらないんです。
やっと宮城県に移動したけど、家の近くのアパート暮らし、週に一回家に戻る生活、お母さんに嫌われてて・・・
何かあると、お母さんが家を出るって言うらしくて、お父さんは体面もあるから今は我慢してるって感じかな。

調停は平行線だったけど、裁判をしても思って弁護士にも相談してたけど・・
僕は浮気なんてしてないし、子供できたばかりで離婚なんて考えたこともなかった、でもどうして分かろうとしないし、
その狐が付いてるって、だから悪霊だとか・・全く話にならなくて、調停員さんもどうしようもないって諦めろって・・

結局、離婚するしかなくって、先日成立。
だから彼女荷物を今朝引越し屋に出して、後はここを引き払うだけです。
真新しいベビーカーもチャイルドシートも虚しく隅に置いてあった。

気遣いのできるちゃんとした男性ですよ、そんな彼がこんなことになるなんて、アンビリーバブルだよ。
俺は何とか勇気づけたいと思った。
「人生、色々あるけど、前を向こうよ、明日に向かってゴーだね」