リサイクル親父の日記

第612話 人間性ブス2連ちゃん

2012/09/03

俺は容姿でブスだなんて思わないようにしてる。
会話したり、行動を見て、その結果で判断するってことでして・・・
リサイクル業者としてしか相手から見られていないから、買取先でかれらの実態に接すると呆れてしまうことがある。

今朝行ったアパート2階では、予定時間に着いて、夫がインターホンにでた。
廊下を通る時、扉が少し開いてて洗面所に奥さんがいる。
居間で検品してる時に奥さんがのっそりと現れる、挨拶すると無視するのだ。

査定金額を伝えたら、夫は口移しに目の前の奥さんに伺いを立てるのである。
「そんなら、いいわ」と、どうやらノ―と首を振っている感じがした。
次にゆっくりと俺の方を向くと、「こっちは幾ら、あっちは?」とド迫力で迫る。

俺はテレビ台とレンジボードの査定金額を別々に伝える、合計は同額なのだ。
「イイわ」と今度はブスッとして首を縦に振っている。
「イイって、売ってもいいんだよね」と夫が念押しする。

テレビ台の真ん前にドッカと座ったまま、暑いのは分かるけど、扇風機を独り占めにしながら頷くのだ。
テレビ台を運び出すのに凄く邪魔なのだ、「すいませんけど、運ぶんで・・・」
はち切れんばかりの巨体をノッシ、ノッシと台所へ移したんだ。

悪妻は一生の不作をここまで体現するとは、お見事。

その男は、「ちょっと待ってて」と言ったきり、10分以上も家の中から出てこないのだ。
俺は玄関先でポツンと待つしかなくて、しょうがなくて鉢植えを眺めていた。
二階2部屋を使っているのだが、一部屋に段ボール箱が2段積みされて足の踏み場もない。

「あれ、あのテレビ台」、それは段ボール箱の下なのだが、白色が黒ずんで見えたから、俺は近づかない。
窓際の部屋には一応家電が一式揃っているが、「この食器棚2つ、パン焼き器も・・」と顎でしゃくる。
倉庫には洗濯機ガステーブル、照明器具、掃除機などがあったが、どれもが状態が悪い。

「何!それしか買えないって、それにさ、安すぎるよ、もっと高く買えないの!」
「無理ですよ、頑張って査定してます、壊れたり、状態が悪いのはどうしようもないし、処分費もかかるし」
それでも納得しないし、俺は帰ろうかと思った。

「残った物はどうしたらいいんだよ」
「粗大ゴミに出すのが一番安いから、そうしたら良いんじゃないですか」
すると階下に向かって大きな声を出す、「親父、ちょっと来てくれよ!」

内容を聞いた父親は、「売れるもんだけ、売れよ、あとはどっかにぶん投げるからよ・・」だって。
息子も息子、親父も親父、似たもの父子だ。
離婚して家財を家に持ち帰ったデキの悪い息子だろうと想像した。