リサイクル親父の日記

第614話 うちの男の人は動かないのよ・・・

2012/09/06

お客さんにも色々いるけど、奥さんが常連さん、でも、旦那さんは無関心。
高級車で乗り付けると奥さんだけが店に入るが、旦那さんは車の中で時間を潰してる。
一度も店に入ったことが無いはオーバーだが、滅多に入ってくることはない。

奥さんが気に入った家具を見つけると、旦那さんを呼んで確認を取るって具合。
しかし、旦那さんは意見を言う風ではなくて、単に儀式として同意をするだけなのだ。
大型の物は買わず、その高級車に積める物しか買わないのだ。

小物などは同意はいらないから、奥さんが勝手に選んで買う。
実はリサイクル品っていうか中古然とした物は選ばない。
食器や陶磁器、衣料品は新品、或は、新品状態の物しか買わない。

家具も同様であり、良品だけしか選ばないというこだわりを持っている。
車もそうだけど、容姿と持ち物から察すれば、金はあるようで、だからリサイクルショップは趣味とか遊びの範疇らしい。
「このハンカチは使ってないわよね、それに、あの白い引出しがいっぱいのガラス戸の棚、車に入るかしら・・積めればもらうけど・・・」

横幅80cm、高さ120cm、奥行き30cmの真っ白い下段が小引出3段4列、上段が小ガラス戸の可愛らしい棚。
「上下に分かれるから、乗用車でも積めますね、やってみますか?」
「あっそう、じゃお願いね」

上段は高さ40cmだったから、トランクにスポッと収まる。
下段は後部座席に両ドアー全開して、ゆっくりと革張りシートに傷つかないようにそろりと移動する。
その前に、運転席と助手席を前方へ一旦動かすけれど、

旦那さんは無言で電動スイッチレバーに触れている。
俺らが積もうとしていることに全く関心を示さずに、奥さんに促されて仕方なく従っているのだ。
家具を入れてる時も無表情に前方に視線をやっているのだ。

革張りシートに直に乗せることはできないから、ビニールシートを敷くし、背もたれ部分にもプチプチシートを当てた。
やっぱりセダンの高級車だね、意外に広いし積めるのだった。
奥さんが呟く、「うちの男の人、みんな動かないの・・」、旦那さんは今度も聞いていない風だった。