2012/09/11
仙台市青葉区台原付近は小高い地域である。
幹線道路から坂を登るように住宅が密集してて、一戸建てにアパート、マンションがぎっしりだ。
幹線道路はトラックでも問題ないが、住宅地域に入ると狭かったり、折れ曲がったりしている。
だから場所によって難易度が大きく違う。
そこは狭い道路を進む先で、同時に急な坂の真上にそびえ立つ感じだ。
部屋は206号室、建物はどう見ても3階建なのだ。
よく見ると、1階部分が部屋の造りではなくて、コンクリートむき出しであり、倉庫としか思えない。
外付けの鉄骨階段を登ると、普通は2階部分の筈が1階の表示になっている。
更に登ると、そこが2階部分だった。
急斜面に無理して造った2階建てアパートだろうか、1階は部屋を造れないから倉庫にするしかないとか。
道路も急勾配で建物の前は入居者用駐車スペースだから、少し下った場所に止めないとならない。
10m先に適所があるが、ここがダメだったら相当下まで行かないとならない。
勾配がきついから台車に乗せて運ぶのは危ないかも知れない。
う~ん・・・非常にやり難いし、人手も多くかけないとならない。
これは安全第一だから無理してまでやる場所じゃないと考えた。
冷蔵庫にガラステーブル、テレビ台、スチール本棚などを彼は示す。
「・・他の物は持って行きますから・・・」
俺は少しショックを感じた。
作業を考えると、一様にやり難い大型の物ばかりではないか。
物は程度はイイ方だが、今俺の店として欲しいかというと、あんまり強く惹く物ではない。
「ここ2階ってなってますが、実質は3階ですよね、エレベーターはありますか?」
「いえ、ありませんよ」
「そ、そうですよね・・・」と俺はションボリ肩を落とした。
「・・・」彼は申し訳なさそうに頷くだけ。
俺は査定金額を示して、取り合えず帰途に就いた。