リサイクル親父の日記

第622話 マニアは遠くからでも分かるんだょ~~ん

2012/09/14

東北はこけしの産地が多い、各地の温泉場に独自のこけし工芸がある。
宮城県には鳴子や遠刈田など5系統あって、それぞれ特徴がある。
幼い時から馴染んでいるが、どれがどれかは俺には分からない。

リサイクルショップを始めてからは、少しは「XX系」って呼び名にも慣れてきてる。
それに買取に行くと、先々でこけし収集家などに出会う。
単に温泉場に行って土産として買い集めた結果でも、何年集めてると相当な数量になっている。

もう少し好きだと、ガラスケースや縁側の端に棚を作って飾ったりする。
多い場合には段ボール箱で5~6箱くらいは出てくる。
大きさも大小様々、1m近い物から10cmくらいまで、見るだけでも楽しくなる。

毎年春頃にはこけし祭りと称して展示即売があって、県内ニュースで放送される。
買い物かごを持ってこけし選びをする姿を見ると、こけしの里だと実感する。
温泉場近くの橋の欄干には大きなモニュメントをあちこちで目にする風景だ。

先日、震災解体に伴う買取があった。
亡くなってたご主人が生前に集めてこけしがたくさんあった。
いつも見ているデザインと違うこけしが何本もある。

今朝、それらを陳列しようとレジカウンターに並べて拭いて値段をつけていた。
その時、以前からこけしを買いに来てる常連のお爺さんが入ってくる。
10m、5mと歩み寄ると、「お~、小椋久太郎だな~~XXXもあるねぇ~~」

そんことを言いながら近づいてきたのだ。
「へぇ~~遠くからでも、分かるんですね」と俺は感心した。
「そりゃそうさ、何十年も見てるし、工人さんたちの所にも足運んでるしな、一目で分かるよ」

考えてみれば、分かれば分かるほど、小さな違いを分かるのは当然だろう。
どんなコレクターでも小異が分かるようになっていくだろうし、それがコレクターでもあろう。
俺の場合は何にも分からなったが、今じゃ少しは分かったよなことを言う時もある。

それもこれもコレクターなお客さんから教えてもらった成果。
知らないお客さんには、正確な説明は有益だし、店も売上に繋がるから有難いこと。
広~く、浅~い知識だけど役立つんだ。