リサイクル親父の日記

第633話 せっかちなおばちゃんですよね・・・

2012/09/28

「すいませんが・・買取できる家具はチェストと下駄箱ですね」
すると、おばちゃんは顔色を変えてしまう。
「ど、どうして!この洋服ダンスは立派よ、それに座卓だってさ・・・」と不満げに言う。

「えぇ、立派だと思いますが、実際に売れ難いんで・・大きいと手間暇もかかってしまって・・・」
おばちゃんの思いを和らげるように諭すように説明する。
「仕方ないわね、それだけでもイイわよ、いつ取りに来るの?」

「明後日の午前中に来ますよ、朝別件が1件ありますから、終わり次第来ますから」
「分かったわ、明後日値の午前中ね、準備して行くわ」
おばちゃんは年のせいもあり、これからマンション暮らしをするが、この1軒家は修繕して貸家にする計画。

それが今日だ、先の買取先で搬出作業をしてたらケータイが鳴る。
「XXXですけど、何時になったら来るのよ、来ないの?スッポカシするの?」とキンキンと息まく。
「1件目もう直ぐ終わります、その後で向かいますから11時前には、必ず行きますから」

おばちゃんは道路に出て待っていた。
「すいません、随分待たせちゃって」と俺は外交辞令として挨拶する。
「イイわ、わたしさ、昨日顔と思って一日中待ってたわよ、メモを確かめたら今日だったのよね」

「えぇ、間違いなく今日の午前中ってお話してましたよ」俺は念を押す。
「今日の午後に用事があって出かけなきゃならないの、それで、今か今かと思って、遅いなあと思ってね」
「それはそれは知らないこととは言いながら、お出かけに間に合いますか?」更に社交辞令を言った。

「何言ってんの、あんた、午後だってばさ、十分間に合いますよ」
それから俺は搬出作業に取り掛かる。
家具2点は中身が空にされてて、拭き掃除もされてた。

せっかちな人って、早目、早目に物事を進めないと安心できないようだ。
先々をついつい考えてしまい、気苦労に気遣いし過ぎて落ち着きが無くなる。
俺の亡父を思い出したよ、本当にせっかちだったんだ。

せっかちな人は慌てんぼうでおっちょこちょいで、単純で怒りやすくって、そして、愛嬌があって素直で可愛げがある。
「ちょっと、あんた、これ持ってて」、おばちゃんは冷えたドリンクを手渡しきた。