リサイクル親父の日記

第640話 相見積に勝つためには・・・

2012/10/07

リサイクルショップだから買取の見積はしょっちゅうある。
電話では見積でき場合もあるし、現場に出向いて行う場合もある。
人によってはひやかしや参考のために見積させることもある。

さっきの電話も型式を言って幾らになると聞いてきてた。
中古は物を見ないと判断できない場合もあるし、売る気が無い人に真剣に答える気にはなれない。
ケースバイケースで瞬時に見極めるのが大切だと思う。

仙台市中心部から少し離れた住宅街で坂の傾斜部の2階建て築20年くらいのアパート。
依頼者の彼女は未だ来ないが、外から見えるピンクのカーテンがちょっと艶めかしい。
白いセダンが着くとドアーが開く、傾斜地のために車から降りるのが難しそうだ。

片足を地面に着くが腰が1回では上がらなくて、2回3回と持ち上げてた。
マックのドリンクを右手に握って、バックを小脇に抱えて降りて部屋を開ける。
玄関にはシューズラックに無数のパンプス、ラック1台では足らずに箱に入れた物がうず高く積まれている。

窓際のピンクカーテンの部屋はメタルのハンガーラックに2~3重にカラフルな洋服がギッシリと架かっている。
その下方の数段のクリアケースに詰まってる。
壁際に3人掛けの白色に花柄で縁が木彫のソファー、更に壁との隙間にダイニングテーブル天板が挟まっている。

同じ系のセンターテーブルも寄せて置いてあるから、その部屋は歩くことさえ難しい。
アンティーク調ガラスケースもあるし、洋服ラック上部にはブランドバックが10点は見える。
次にリビングに入ると、アンティーク木彫3人掛けベンチ、テレビボード、メタリックな本棚、などが・・・

台所の食器棚、アンティーク食器棚、ブランド食器など・・・俺はクラクラしてしまう。
全てが高級品で良好で、どうしても全~~部を買取したいと思った。
「・・査定できない、いやいや、高額過ぎて・・それでは商売として成り立たないし~~どうしてイイか分かりません・・」

弱音ではないのだが本音を言ってしまった、そして、「幾らくらいを考えてますか」と彼女に質問した。
「安くなるのはしょうがないわ、でも、やっぱり金額を教えてください・・・他の業者さんも呼んでますし・・」
買取りたい時には競合するっていうか、相見積って結構多い。

「そうですよね、分かりました・・・XXX円でお願いします、それと別にお願いがありますが、金額が多くても少なくても結果だけは教えていただきたいのですが」
「えぇ、この部屋には似合わない物ばかり、東京で1軒家の時に揃えたから・・・」と今度は彼女が本心を明かす。

実は高額高級品ほど査定が難しいし、販売も非常に難しくなる。
高額品ほどリサイクルとして販売する場合には価格乖離が大きくなる。
「そうでしょうねぇ、この部屋には不釣り合いだもの、全部処分って・・引越し先で使わないのですか・・」

「彼の所にみんな揃ってるし・・・」それ以上は話さない。
事情はあるだろう、でも、俺は物が買取したい。
「それでは電話、待ってます」と辞した。