リサイクル親父の日記

第643話 どうすれば盗まれないか・・・

2012/10/10

お爺さんがテレビを買ったが、その後の言葉に俺は驚いてしまった。
「・・盗まれないようにするには、どうすればいい??・・」
「家にカギをかけるとか、防犯をきちっとすれば・・」ありきたりの答えを言った。

「最初は42インチで、昨夜は32インチを盗まれてしまった、孫がどっかで売ってるらしい・・」
外孫が夜中に忍び込んでお爺さんのテレビを盗んで、転売して換金してるという。
「テレビだけじゃねぇ、置物とか何でも持って行くんだ、全く困ったもんだ」

連れ合いのお婆さんが入院してしまい、外孫は金をせびれなくなり、転売できそうな物を勝手に持ち出してるという。
聞くに堪えない話ではあるが、俺にはどうすることもできない。
身内の犯罪だから、警察でも受け付けないと言ってたし、取り合えず、その都度必要な品物だけは買うしかないそうだ。

初めのころは新品を買ってたが、何度もとなって、中古で見繕うことにして俺の店に来たということ。
帰ってから数時間経った時、同行してきたおばちゃん、きっと娘さんだろう人から電話が入った。
「テレビ映りが・・それにアンテナ線も入らないし・・1と3しか・・他はザラザラするし・・・」

店で視聴してもらい、リモコンでの操作も実演してもらって買ってもらったのだった。
メカに弱い人に説明するのは苦労するのだ、電話で説明となれば不可能に近いと思えた。
翌日持ってきてもらって、再度店でテストすると、当然なのだがどこにも異常はなく、正常に視聴できる。

「家のアンテナ線は問題ないわよ、前もちゃんとしてるんだもの、このテレビのここに入らないのがおかしいわ」
これは本当に埒が明かない状況だったから、俺がお爺さんの家に出向くしかない。
テレビの入力側はネジ山があって、同軸ケーブルを捻じ込みながら取り付けることもできるタイプ。

一目見て分かるのだが、俺はかれらに説明しながら、グルグル回しながら接続する。
「あらーっ、昨日はなんぼやっても入んなかったのに・・・」て、それでも自分の非を認めることはしない。
次に、リモコンで地デジを選んで、チャンネルを押すが・・・何度やっても・・

「アンテナが接続されてないか・・・」というメッセージが出るのだった。
BS,CSに切り替えても同様の表示をするが、これは当たり前だから、再度「地デジ」に戻るが変わらない。
どうして??? アンテナケーブルが不良かしら??

それではと思いなおして、「アナログ」ボタンを選んで押した。
すると、「1」「3」「5」「6」「9」「12」と全部綺麗に映るのだ。  
震災でアナログ放送から完全デジタルに切り替えが遅れたが、現在は切り替わってる筈なのだが・・・

この家はアパートとくっ付いてて、お爺さんは大家さんでもある。
だから共同アンテナであって・・・だけど地デジが受信できないって・・最後まで理解できなかった。
「お~ぉ、見れっから、こんでイイ」と昔のチャンネルを抱きしめてる。