リサイクル親父の日記

第653話 少なくて高いんですよ、どうしたら・・・

2012/10/25

夕方飛び込んできた営業マンが面白かった。
乗用車後部座席に木彫虎、剥製、額数点を持ち込んできたが、それは買取に値しない品々。
彼が社命で売り先を探してたということ、俺の店が4番目であり、ブログで店を知ってたということ。

早口で説明してるが、凄く親しみと真実味を感じた。
彼は誠意のある営業マンだろうと想像できた。
それに会社の悪口的な本当のことを初対面の俺の前で開帳する。

「他社より劣ってる商品を他社より高く売らなくちゃいけないんですよ、そんな会社ですよ」とか、
「フィードバックするお客様の声が商品開発に反映されないんですよ」など・・・
聞いてて俺は30年前にタイムスリップしてしまう、当時は営業だった。

勤めてた会社は地方の零細メーカーで、他社より性能が劣ってるし、仕上がりが悪い。
だから価格は安くせざるを得なかったが、一時期は目の回る忙しさもあった。
全国を営業したが、主には東北北海道で、俺は結構出張した。

馴染みのお客さんは事情も知ってるからマシ、新規のお客さんには説明し難かった。
欠点を売りにすることはできないが、聞かれた時に隠すことがツライ感じがしたものだ。
引き渡した後に欠点が出て補償工事が多発、その説明に精も根尽きたっけ。

一般修繕工事の中に実は補償工事が含まれてて、請求金額が半分になったことがあった。
会社に持ち帰るのも責任転嫁のようで嫌悪を感じて、即断即決したことがあった。
経理部長から叱られるも俺は言いかえしたよ、「本当に請求できる分はもらってきましたよ」

あの日から、俺は仕事は命をかけてやるもんだと思えるようになった。
思いは続いてたし、会社がちゃんとなっていけばと努力したが・・・
結局、自分で思う存分やるしかないと思って独立したんだ。

紆余曲折もあったが、リサイクルショップに取り組んだ。
お客さんに対して嘘と方便を言わない経営を貫いてる。
例えば、商品に欠点があれば全てを知ってもらい、且つ、納得した時だけ買ってもらえればイイ。

水前寺清子かぁ~~~古いな~~真実一路。