リサイクル親父の日記

第654話 ノックダウンってのは始末が・・・

2012/10/27

買取現場では時々変な家具にでくわす。
見栄えはイイから、見積の時にはちゃんと査定してしまう。
今流行りの真っ白い本棚、観音開き2枚扉でとっても良品だ。

横幅が90cm弱、高さが2m近い、購入して2年弱でキズも汚れもない。
本や雑誌がギッシリと詰まっているけど、収納量は申し分ない、値段も高そうだ。
棚板が7~8段付いてるが、2枚は耐圧ガラスだ。

「う~ん、そうでもなかったわ、仙台に来て買ったの、10万円しなかったの、テレビ台は東京で買ったの、それは高かったの・・・」、俺の質問に彼女はアッケラカンと答えたが、テレビ台の値段に俺は驚いた。
「本棚は分かるけど・・このテレビ台が、そんなにしたんですか~~」

東京時代の物はどれも高価だったし、1点毎の見積はし難い。
高価な物でも店売りを考えると、リサイクル品としては限度がある。
それでも俺は頑張って査定して成約したんだ。

そして、その本棚を運ぼうと2人で持ち上げにとりかかる。
数回やってもビクともしない、片側だけに力を集中したら、僅かに浮いた。
例の家具転倒防止マットが四隅に敷いてあるから簡単に動かないのだ。

・・と、その時、本棚が前のめりに傾くではないか。
2枚扉表面が全面鏡張りのために異常に重くて、重心が前方にきてるのだ。
狭い部屋から出す時にも高さは高く横倒しにしなければならない、玄関を出す時も90度向きを変えないとならない。

作業の全てがやり難くて・・・トラックに積み込んだ時に背面中部に細いピンが10本ほど見えた。
訝って考えて、ピンは本棚中部の棚板と背面板を止めていたものだと知った。
見た目は立派なのに、虫ピンで止めてるなんて呆れてしまった。

「本棚?あれは業者さんがここで組み立てたの」アッケラカンの答え。
それは納得できる答え。
でも、一見は立派なので判断を誤らせる。

この本棚を店に置いて、販売できたとして、それから配達してっと・・・
アァ、考えただけでウンザリしてきた。
だからノックダウン家具は、俺までノックダウンさせられるよ。