リサイクル親父の日記

第659話 俺を見て驚く床屋さん

2012/11/03

過日、テレビで高倉健の密着番組を見た。
東京に居る時に毎日通う床屋があって、専用個室があるって言ってた。
本当は一般客と一緒のフロアーがイイらしいのだが、店主や一般客を気遣ってそうしてもらってるそうだ。

ファックスで事務連絡もするし、私物を置いてもいるから、ある種の自宅を兼ねているかも知れない。
床屋のおっさんとは40年来の付き合いで、市井の出来事や話題を忌憚なく聞いたり話したりできてるそうだ。
・・・俺は25年通う床屋があって、少し年上のおばちゃんだ。

流行ってない床屋っていうか、安い床屋に食われて、今じゃすっかり落ち目かな。
でも自分が食えればイイやって、俺らのような少ない常連を相手にボチボチやってる。
津波被害に遭って再起を諦めそうな時、俺は知合いの理容中古屋さんを紹介した。

格安に再起できたので、それは良かったけ。
待合ソフォーと椅子を区切る衝立を買ってもらったな、だから、行くたんびに見て思い出す。
その彼女が俺を見た途端に叫ぶように言った、「どうしたの、病気でもしたの・・」

「いや・・別に・・ちょっと、ダイエットかな・・医者に言われてさ、やっと、夏から・・・」
振り返ると、約3カ月ぶりに床屋に来たのだ。
「ねぇ、どうやってるの、何か特別なこととかさ」、それは興味ありありの好奇心満々の聞き方。

「特別何も・・カロリー制限だけよ、食う物をカロリー低い物にして、間食はせずとか・・・」
「そうよね、わたしもさ、でも、ついついお菓子も食べるし」
「もやし、豆腐、肉は少々、魚も安いのにしか・・まあ、でも腹減ってるから何食っても美味いわな」

「もやしだよね、炒めるのよ、ベーコンで一緒にさ・・・果物もイイのよね・・・」
「ベーコンと一緒じゃカロリー高いよ、それに夜の果物は良くないらしいよ」
俺は知ったかぶりをして注意をしてしまった。

「菊池さんね、あの人もさ、痩せないとと言ってるけどダメだって、美味いお菓子があるとたくさん買うだって・・・」
俺らの共通の知人で、俺は何年も彼に会ってないが、彼女から状況を教えてもらっている。
不思議にいつも会ってるような親近感を持つのだ。

「菊池さんは金あるし、出張が多いし、外食ばっかでしょ・・・」
「わたしや菊池さんは、1k~2k減った増えたって・・騒いでるの・・んで、何キロ減ったの?10k!くらい」
「・・ん、まぁね・・それくらいかな」

「やっぱりね、ねぇ、どうしたらそんなに・・」と話が振り出しに戻る。
その時、散髪は無事終了する。
「高倉健になるよ、俺は」と言うと怪訝な顔を知る。
「70k以上になったことがないって言ってた」と床屋を出た。