リサイクル親父の日記

第668話 出どこが気になりますか?

2012/11/13

まぁ中古品なので仕方がないのだろうが、出どこを聞くお客さんが実に多い。
俺の店にも稀に未開封新品も入るが、100%が中古品と言って差し支えないだろう。
リサイクルショップだと分かって買いに来てるから、本来は出どこうんぬんは問題ではない筈。

それにも関らずにどうしてそんな質問をするんだろうかと考えてみた。
新品よりは遥かに安価だから価格的には魅力が大きい。
しかし、どこの誰が使ってかとか、どうして手放したのか理由を知りたくもなるようだ。

不安があるのは理解もできるし、そして不信感もあるのかも知れない。
特に、初めてのお客さんが中古を買う場合は漠然と感じて払拭するために質問もするらしい。
「どうして手放したんでしょう・・・何か問題とか・・・どんな人が・・・」

そんな時に俺は一般的なケースで答えることにしてる。
「引越しもあるし、大きさが合わない場合もあるし、商品はチェックしてますので大丈夫ですよ」
買いたいと考えてるお客さんを後押してあげる程度、それが払拭の手助けなのです。

それに店員との会話で安心感も得られるだろうし、一歩踏み出せるという訳だと思ってる。
ところが、商品が骨董関係になると、これだけのやり取りが長くなってくる、場合によると1ヶ月もかかる。
「あの~ガラスケースのあれを見たいのですが・・・」と申し入れがある。

ガラスケースから取り出してレジカウンター上に置いて、見ていただく。
手にとって上から下から様々にご覧になって、様々な質問をしてくる。
分かる限りは答えられるけど、それ以上は無理だし、詳しくなるほど俺は尻込みせざるを得ない。

「どんな方が持ってましたか・・・」
「ご主人が買ったそうですが、お亡くなりになって・・息子さん達が処分したいって・・それで買取したんですよ」
「・・・わたしも・・そうなっちゃうんですかね・・子供たちは興味がないしね・・・」

似た会話は随分多く交わした。
コレクターは自分の死後を気にするけれど、気にするくらいに気にしてはいない。
やはり自分の満足度や楽しみには変え難いらしい。

結局、気に入った物を金額も満足できれば買うということ。
出どこは気にしてない、と結論である。
気にしたふりをしたいだけ・・・