リサイクル親父の日記

第670話 カギ、開けとくから・・・

2012/11/15

買取や引取の相談を直接店に来てする方がいる。
電話よりも面談の方がお互いに意思疎通がスムーズなのは道理。
特に年配者であるほど分かりやすいというか話を誘導し易い。

くどくどと自分の気持ちや思い入れを前説として延々と聞かされることもある。
相手が見えないと、無下に話の腰を折り難く、しかたなく聞くのだが・・・
苦い経験もある。

「それは無理ですね、古くて・・・それは売れないから・・・」、全部を断るしかなかった。
すると突然、相手の怒号が飛んで来る、「何でも買うって言うから、電話してやったのに、何だ、その言い方は!!!!」
まぁ、こんな現実も俺にはある訳。

面談してると、相手の表情が見えてるので人柄が分かるし、どんな対処をすべきかも判断できる。
会話するのが好きな方の俺はドンドン突っ込んで本題に迫り易い。
ポイントを絞ったり、要領良く聞く術も持ってるから、状況が判断できる。

目の前の中年男性は私服なのだが、紳士然としてる。
雰囲気と話し方に人間性は現れるから俺もしっかり(?)応対するように心掛ける。
「えぇ、大丈夫ですよ、いつ見積に行ったらよろしいでしょうか?」と具体的な日取りを聞いた。

彼は一瞬の思考後に真逆を口にする。
「そうですね・・カギを開けとくから・・そちらの都合のイイ時に入ってもらって構いませんよ」
「ウチは明後日しか行けませんよ、2~3日間もカギをかけれませんが・・・」と疑問を言った。

「もう・・特に何も無いからさ、地震の後に片付けもできたませんしね、そのままだから・・」
「でも・・だったら、鍵を預からせて下さい、その方が安心できます」
「そう・・分かった、じゃ、そうしましょう」

彼の伯母さんの家は2年前から空き家になってる。
一切の処分を任されてるが、この度売却が決まって、引き渡しが今月中ごろになった。
リサイクルできる物と買取できる物を持って行って欲しいということだ。

空き家でも施錠せずに俺の事情で数日間おくのは問題だ。
仮にトラブル、例えば放火などがあっては責任も出るだろう。
信用していただけるのはありがたいが、ホドホドでイイんですから・・・