リサイクル親父の日記

第674話 戻ってきた彼が・・・

2012/11/20

創業まもない頃にちょくちょく来てた彼とは、コーヒーをするようになる。
夕方に来て店内を一回りして、そしてレジカウンターで会話をする。
古い物が好きでアンティークやレトロな雰囲気を好んでる。

彼の仕事関係から買取先の紹介も受けるようになってた。
仕事は建設関係で従業員も数人抱えてるが、仕事量で臨時も含めて激しく増減してた。
ハンサムで人柄も良い、人情も厚くて・・・俺から見ればイイとこだらけ。

数年間続いてた彼の来店は途絶えた。
最近顔出さないなぁ、どうしたんだろうか?そんな思いを抱かせた。
俺は気になるが、追いかけない性質があるので、連絡をしたりしない。

半年、1年、数年経つうちに記憶から消えていた。
先日、彼が現れたのだが、当時よりかなり太ってて、最初は同じに一だと思えなかった。
6~7年経ってるし相応に歳も取ったし、それに体型が変わったからね、でも彼だった。

「・・色々あって、仙台に居れなくなって、北陸でやってたんですが・・・なんとか戻って来れるようになった・・・」
そして、彼は昨日の夕方も以前の様にやって来て、俺らは歓談することとなる。
自分の判断の甘さから、大きな負債を被ってしまって、従業員たちに大きな災いを与えてしまった。

今は2~3人だけでやれる仕事しかやらないように徹して、無理、無謀な受注はしない方針。
俺も彼との空白期間を埋めるように、店でのあれやこれやを簡略説明した。
次に、俺の大失敗も包み隠さずに話したりしてしまう。

「・・う~ん、いろいろ大変だったんですね」なんて俺が同情される始末。
誰もに転機とか岐路はあるし、その後の人生が大きく左右される。
俺の転機はリサイクルショップを始める数年前だった。

脱サラで小さな会社を起こして8年やって、それで会社を去った。
それからは金を追わない経営をしようと決心した。
この考え方が焦らず、追わず、威張らず・・・などだ。

売ろうとしても売れない、売れる物を見つけて売るという原則を掴んだ。
お客さんのためにとかではなくて、お客さんの買いたくなる物を見つけるという見方。
その結果、俺が傲慢な言動になる場合もあるらしいが、そのお客さんとは縁がないということかな・・・