リサイクル親父の日記

第695話 誰のために買うんですかと・・・

2012/12/11

仙台と石巻でリサイクルショップを経営してますが、色々なことが起きてます。
出張買取や販売のことなど、俺の感覚でノンフィクションで書きますので、よろしくお読みください。

リサイクルショップを始めた時からの常連のおばちゃん達が居る。
おじちゃんが運転をして来るのが常で、俺の店の向かいのラーメン屋さんに来るついでに寄っていく。
ラーメンはしょうゆ味でサッパリしてるので年配者に好まれててファンも多い。

二人で来ること以上に、おばちゃんには妹が2人いるから3姉妹プラスおじちゃんの4人で来る方が多い。
二人の家には配達もしたが、彼女達は住んでる場所がそれぞれ数十分から1時間は離れてる。
そして、おばちゃんは倹約主義だからリサイクルショップを足繁く巡るらしく、各店の情報に詳しい。

「何よアンタ、あそこの店より高いわよ、まけてよ」なんてしょっちゅう怒られてしまう。
三姉妹は丸ぽちゃで背が低い、顔は似てるが違いは分かる。
家具売り場の前で議論らしき協議をし始めてる。

「あんた、このソファー買った方がイイよ、座るの楽だんべ」おばちゃんが妹に勧める。
「置く所ないわよ・・」と答えると、即、別の妹が「大丈夫だっぺ、コタツの脇ださや」と勧める。
ゆったりと二人掛けできるロータイプソファーは新品同様に綺麗なのだ。

「どれどれ・・」と丸ぽちゃ姉妹は座ってみて感触を確認する。
造りがしっかりしてるから丈夫で長持ちしそうだと分かったようだ。
「んだ、絶対、買うべきだべさ~」「そうすれば、オラもさ、あんたん家に行った時、助かるわ」

きんさんぎんさんの長寿の娘さん達じゃないが、秘訣は活発な会話を続けているとボケないそうだ。
三姉妹はお互いに行き来してるし、誰かの家に集まって懇談するそうな。
コタツに出入るする時に体重が重いから相当しんどくなっている。

お年寄りで正座ができなくなるとかするのは、脚や膝が弱ってくるから仕方のないことだ。
太っていると余計弱り易い、三人が皆同病的な傾向なのである。
だからロータイプソファーはうってつけらしく大変気に入ったのだ。

当の本人以上に他の姉妹達はそれを使いたくて必死に勧める。
「これ買うわ、後でお父さんと軽トラで取りに来るべ・・」と、遂に決断する。
身体は別にしても、毎日のように世間話に花を咲かせて頭を使うことで長生きしてよね。

話をすることが脳の血流を良くするから、お喋りはベラベラできるだけ多くするべきだって。
無口な老後生活は痴呆になりやすいから、俺も会話力を鍛えておこうと思う。