リサイクル親父の日記

第697話 価値観のギャップだが、心地イイ暮らし方らしく・・・

2012/12/13

宮城県の仙台と石巻でリサイクルショップを15年以上やってます。
出張買取の出来事、店舗販売の状況などで何かしら面白いと思うことがあります。
俺なりに切り取って、皆さんに伝えたいとブログを書いてます。

成熟社会だからだと思うが、多種多様な価値観があると感じる。
子供の頃には、みんなが貧しかったのだろうか、節約倹約は当たり前だった。
おさがりや補修、いわゆる使いまわし、リサイクルするのが日常茶飯事だったよね。

高度経済成長になってからは使い捨てが普通になり、新品を買うのが主流になってた。
そして物量的豊穣さが席巻してモノを大事にしなくなり、それは価格破壊によるデフレ影響も大きかった。
選択肢が莫大に増えてしまい、俺は何をどう選べばイイのかと逡巡する罠に落ちたりした。

俺らより下の世代は好きなモノを自由に選ぶという暮らし方をするようになっていた。
好きなモノだけで生活できてしまうから、嫌いなモノや嫌いなことを選ばない、やらない傾向が顕著だ。
そんな世代の彼からの買取だ。

仙台市青葉区「米ケ袋」という地域は、東北大学正門付近から下って入る一帯で入り組んでて道路が狭い。
「そんなに大きいと玄関から出せますかね?2階の部屋ではないですよね」
大き過ぎて搬出ができないとサッシ戸を外して運ぶ必要もあるし、それが2階だったら俺には手に負えない。

人数をかけて手間暇かければできないことはないが、それじゃコストがかかり過ぎて商売にならない。
「問題ないっす、1階でベランダから出せるし、大丈夫っす」と返事がある。
北欧製皮張り特大の二人掛けソファーは黒光りして部屋の壁に寄り添っている。

1Kアパートの半分を占めているが、他に小振りの本棚、ちゃぶ台、テレビくらいしか置いてない。
「高かったんすよ、でも運ぶのが面倒で・・・ちゃぶ台は気に入ってるからダメっす、テレビは出してもイイっすが・・・」
アラジンストーブの温かい炎が揺らめくのでレトロな雰囲気が醸し出されてる。

話す言葉使いよりは整理整頓された部屋で掃除も行き届いてるから清潔感がある。
1点ずつにこだわりが伺えるが統一性は特になくて、レトロだとかシンプル良品といった感じ。
重量感たっぷりの良品ソファーを立てたり倒したりしながらベランダ側から無事に運び出した。

「おじさん、誰か車、要らないすっかね・・知りません?」と突然聞いてくる。
「車って・・もう乗らないの?車検付いてるの?」
40年前のワーゲンだが、1年前にエンジンとサスペンションを新替え、半年前に全塗装を施す。

駐車場に雪を被ったワーゲンが佇んでるが、ライトブルーが目に鮮やかで可愛らしい。
「かなり金掛けたけど・・・安くてイイからさ・・面倒だし・・・」
一瞬、俺欲しくなったけど・・・趣味で持つには金かかり過ぎるしィ~~~