リサイクル親父の日記

第699話 遠い、遠い仙台青葉区です

2012/12/15

宮城県の仙台と石巻でリサイクルショップを15年以上やってます。
出張買取の出来事、店舗販売の状況などで何かしら面白いと思うことがあります。
俺なりに切り取って、皆さんに伝えたいとブログを書いてます。

仙台市は青葉区、太白区、泉区、宮城野区、若林区に分かれてる。
仙台駅や県庁、国分町などは青葉区であり、普通に聞くと青葉区が仙台の中心に感じる。
中心に変わりはないけれど、青葉区は実は物凄く広範囲。

随分前だったが青葉区赤坂って場所があり、勘違いした俺は中心部だと思った。
だから幾らにもならない買取でも請け負ってしまい、その遠さに自嘲してしまったことがある。
以来「青葉区です」とお客さんが言っても、「青葉区の何処ですか?」と追い聞きするようになった。

今朝の男性が言う、「2年前の物でソファー、ベット、家具など・・・青葉区みやぎ台の・・・・」
俺の頭には「2年前」が強くインプットされて、「青葉区みやぎ・・」は印象が極めて小さい。
だから話をまとめて地図を調べると、あっ、そんなに遠いんだったけ。

それでも数量が多いので買取がまとまれば問題ではないから、俺は長駆する。
住宅地図に番地が乗ってないので、新しい家だと分かってた。
バリバリ新築の平屋で、俺が着いた時に男性と父親二人で片付け真っ最中。

しかし家の中は全室全部が非常に乱雑に荒れているし、驚くほどの散らかりなのだ。
ダイニングテーブル天板は食器や調味料、グラスなどがビッシリ敷きつめた様に置いてある。
ソファーには洋服が何着も重なってる。

2室ある子供部屋もしっちゃかめっちゃか、台所も・・・
それは必要な物だけを取り出して持ち去るために、それ以外の物をわざとぶちまけたと思える。
こんな時は余計な話はしない、事務的に話す方がイイ。

「そうですね、買える物だけで結構ですから・・」彼は幾らかでも金にしたいのだろう。
俺は4~5点を査定して、それから搬出にかかる。
1人で持てない物は彼に手伝ってもらう、少し意思が通じ合えてくる。

「・・・残りはゴミ処分するし・・・おじさん、他に持って行けるのあればご自由に・・」
ぶっきらぼうでつっけんどんだった彼も少し和んできてる。
2年前に新築したが離婚のようだ。

子供二人を連れて奥さんは出たらしく、だから、この家を売却処分するんだろう。
彼は実家に戻る、この家の片付けを父親とやっている、そんな現場。
中心部からは遠い地域だし、帰り道、俺はいつもの様な寂寥感を感じつつ山道を走ってる。