リサイクル親父の日記

第690話 遠い所ですよ、それが・・・

2013/01/14

リサイクルショップを仙台と石巻でやってます。
出張買取や店で色々あります。
本音でアップしてますので、お気軽にお読みください。

電話をしてきた男性はアパート管理会社の男性だった。
社名はテレビコマーシャルも頻繁だから耳にしてる。
「今日の今日って来てもらえますか?・・・」

随分忙しない話だと感じつつ、「それはモノ次第ですね、どんなモノですか?」と聞き返す。
「それが・・・住んでる人に聞かないと分からないんですが・・・今日来て・・・」
兎に角、今日来て欲しいとだけは要望してる。

俺は住人と連絡がついてモノの内容がちゃんとしてれば出張はします、と伝えると彼は安堵した。
小1時間後に再度電話があって、「今、本人と替わりますから・・・」となった。
その替わった中年男性が答える、「4~5年前の冷蔵庫や洗濯機だし、他にも色々ある、単身で・・・」

単身赴任を終えて引越しだろうな、年式も問題ないから出張することとした。
住所を聞くと本当に遠い所である、1時間以上かかるし山中を抜けて行くのだ。
昼飯を急いで食って店を出た。

風が強くてトラックが揺れるほどだ、山道を上がったり下りたりグニャグニャ曲がりながら進む。
日影には雪が解けずに残ってて凍てついている。
そうして山の斜面に新し目のアパート群が近づくと、どれもがあの管理会社なのだ。

こんな辺鄙な不便な場所に立てたアパートで入居してもらえるのかと疑問が湧く。
1~2棟じゃないんですよ、傾斜地両側に建ってて・・およそ20棟もありそうなのだ。
その部屋が開いて中にはいると、彼が言った。

「これ全部だよ・・持って行けるの全部でイイよ、金なんかいらないよ」
しかし俺は一目で話が違うと判ってた。
念のため、電気製品の年式を確認すると、どれもが10年も経っている。

何かモノになる物はないかと家具類も見るが、どれもがいただけないというかキズや擦れが酷い。
「話が違いますね、どれも無理ですよ」と伝える。
稀にこんな人に会うし、それが今更どうすることもできないから、早く退散することを考える。

「あっ、そう・・不動産の人に電話しておいてや」と彼が命令調で言うのだった。
俺はカチンときた。
「あのね、あなたは何を言ってるの、それはあなたがやることでしょ」