リサイクル親父の日記

第696話 値段が合えばって、そりゃ無理・・・

2013/01/25

リサイクルショップを15年もやっているので、見積や査定も簡単にできるようになってる。
品物の状態や年式が分かれば、現品を見なくても大概は判断できる。
ポイントはメーカー、状態、キズや使用感の程度ってことだろう。

それに1点でも出張買取に行くことはあるが、それも費用対効果を考えてのことである。
1千円とか2千円、或は数百円で販売する物をわざわざ出張まではしないだろう。
しかし、1点でも数万円で売れる物であれば、出張買取も大歓迎ということになる。

「アンティーク家具・・だと思うんですが・・・見積もってもらって・・・」
お客さんがあやふやに言う場合には、どのように判断したらイイか大変迷うのだ。
まぁ、しかし、興味はあったので、車で1時間は少し遠いけど見積に出向いた。

通販で買い求めた家具は正しくアンティーク家具である。
イギリス製なのは疑う余地はない、それが十数点も和風造りの縁側部屋と和室に置いてあった。
チェスト、ライティングディスク、ソファー、イス、テーブル、飾棚などが・・・

古い家具がピッカピッカに輝いてるのは、ワックスが大量に塗られてることを表してた。
更に、家具には小物がこれでもかという案配に飾られている。
生活感や使用感は全く無くて、単なるディスプレイのためにだけあるという風だ。

「まだ買ってからそんなに日も経ってないのに、どうして売ろうと・・・」俺は素朴な疑問を口にする。
「そうですね、1年前から3ヶ月くらいかけて、ネットで買ったんだけど・・・」と言うと、
「なんていうか、飽きてしまって、その時は夢中になったけど・・・ある程度安いのはしょうがないけど・・・」

時々この手の人に出会うが、買取がまとまることはない。
買った値段の半分以上、7~80%のを売値として求めるのが常だ。
だから状況を知れば、この話はまとまらないと分かる。

「飽きたとしても手放すのは勿体ないですよ、買い取るとしても安くなってしまうし・・」
それに対して彼女は、
「総額で150万円は使ってるし、そうねぇ~120万円くらいでもイイのよ」

俺は予想通りだったことが嬉しくもあり残念でもある。