リサイクル親父の日記

第698話 一目ぼれ?

2013/01/28

本当に仲のイイ叔母と姪だと俺は思っている。
もう5~6年ほどの常連さんで月一程度に顔を出してる。
仙台市の隣の市だから車で40~50分くらいかかるんだろう。

でも、俺の店だけに来る訳じゃなくて、所謂アンティークが好きなのである。
特に叔母さんの方はガラス物が大好きだから、珍しい物があれば必ずゲットしちゃうタイプ。
姪は意外に和骨董好みで渋好みで、それに大変慎重派で時々、3~4回に1度くらいの買い上げだ。

黒柿茶ダンス、芸者さんから買取した帯や帯紐、ガラスコップ類などを買ってもらっている。
姪だから母親と姉妹関係であり、母親が急逝してたから、以来母親替わりに姪の面倒をみたのだ。
その関係を知らないで見てると、親子だと思えるのだ。

昨年11月から来てない様に思ってた。
というか、常連さんは一定期間以上空くと、どうしたんだろうかと気になるものだ。
今年もまだ来てないから時々気にはなってた。

でも、俺も何回かは気にするのだが、1~2ヶ月も経つと俺自体が忘れてしまうから・・・
そのまま自然に忘れて、全く来なくなってしまう常連さんだっているかもしれない。
「もう、来ません」と挨拶して来なくなる常連さんなんている筈はない。

ある時、急に、或は、何気なく足が遠のいてしまい、時が経つうちに更に遠のいてしまう。
そんな風に自然にフェーズアウトすることはあるしね、俺もそうやってどれだけの店に行かなくなったか知れない。
スナックしかり、喫茶店しかり、食堂しかり・・・何処にも行かない挨拶ってしてないね。

それがいつもの様に二人で店に入って来て、ワッサワッサと歩いてる。
それで・・・レジの方に寄って来ると、叔母さんの視線と脚がビタッと止まった。
「ウワ~ッ、素敵ぃ~~~」とウットリ納得する。

骨董品ガラスショーケースの脇に2羽の鶴の置物があったのだ。
それは夫婦が寄り添うとかアベックが佇む姿に見える。
ある程度経年変化があって真鍮製なのだが緑青が浮いてるというアンティーク好みにぴったりなのだ。

数回鶴を眺めては考え込んでたが、「・・それじゃ、今日は帰ります」
俺は期待が外れたが、「そう言っても、又、今日戻って来るんでしょ?」と応じた。
店を出た後に、数時間後に戻って来て買うことが叔母さんはあるのだ。

予想は当たった。
3~4時間後に、「今日は手付金だけ払って行きますから・・・」てなことになった。