リサイクル親父の日記

第674話 うまくいくって、言うじゃない

2013/02/08

色んな方法で仕入れをしますが、面白い物はなかなかありません。
だから俺は面白い物や珍しい物を見つけると嬉しくて興奮しちゃう。
そして手に入れたくて頑張るのだが、これがなかなかうまくいかなくて・・・

もう6~7年前の骨董のセリだった。
馬の張りぼての首頭飾りと尻尾、祭りで使ったらしいが定かではない。
獅子舞いの獅子頭の様な感じであり、胴体の唐草模様の布はなかったが、そこに茶色い布があれば完全なものにある。

首頭は高さ1m弱で少し離れてみると実にリアリティーがあった。
馬年生まれの俺は馬グッズに弱いのだ、リサイクルショップに関係なく、馬グッズに心が魅かれるのだ。
セリでの発句(最初の売値を発する)はソコソコなのだが、誰も買い手がつかない。

すると値段を下げて買い手を探そうとするが、これ又声が上がらない。
そんな時に俺はムズムズしてくるのと、そんな安い値段なのに・・・可哀そうと思ってしまう。
この可哀そうなんて感情を持って商売をしてはいけない。

このモードは商売を逸脱してるからどうしようもない。
「・・ハ・イ・・買います」と遅ればながら声と手を上げる。
しかし売主は粘ったりして、「もう少し足してよ、1千円でイイからさ・・」なんてがめつい荷主は駆け引きする。

この声にも俺は弱い、義侠心とか博愛精神のような感情が湧いて、それと断り切れないという押しに弱いところがある。
「・・え・・ぇ・・分かりました」と簡単に応じてしまう。
完全に素人として振る舞う俺なのだった。

それを陳列棚の最上段に奥と、馬のてっぺんが天井板にくっつくのだが、この図が以外の面白かった。
お客さん達は気づかない人もいるが、気づいた人は一応に驚くのだった。
その反応を眺めつつ俺は喜ぶのだが、流石に1~2年も過ぎると少し飽きてきたもんだ。

昨日のお客さんが、「これ・・イイわね、子供たちもきっと喜ぶわね・・ところえで値段幾らにしてくれる?」
おゃっ、本気なんだ、と俺は感じたから、「イベントとかですか、ボランティアみたいな行事ですか?」と聞いた。
「まぁ、そんなとこですよ、だから安くないと買えなくて・・・それに馬でしょ、うまくいくなんてね・・」

おやまぁ、ダジャレかよ!
「分かりました、出血大サービスしますっ!」
と俺は儲け吐き出して売ってしまいました。