リサイクル親父の日記

第687話 どうか鑑定書を・・懇願されても・・・

2013/03/09

宮城県仙台市と石巻市でリサイクルショップをやってます。
買取現場やお店では何かしら面白いことがあって、日々日新って感覚ですね。
書けないこともあるが、さし障りないことをアップしたいと思います。

電話での問い合わせである。
「絵画に掛軸、いろいろたくさんあります・・・鑑定して欲しいのですが、できますでしょうか・・」
「鑑定って・・売る気はないのでしょうか?」と聞いた。

「・・それが~~鑑定だけを・・鑑定書を書いて欲しいんですが、できますかね・・」
「それはしてませんね、鑑定書って要求されても、そんなに高額な品物、或は、骨董品なんですか?」
俺は鑑定書を要求するってことが理解できないので、逆に興味が湧いたんだ。

「それがその~~たいしたことないと思いますが・・・でも事情があって・・・」
こんな説明をされても理解できなし、付き合ってる暇もないと思えた。
「そうですかぁ~、でもウチでは鑑定っ」と言い掛けたら。

「いえ、ご迷惑はかけませんので・・・持ち込みますので見るだけでも、何とかお願いします」
その気迫に圧倒されてしまう、だから、「まぁ、それじゃ分かる範囲で・・・」と協力することを約束した。
数日後、40年配の角刈りの彼が腰を低くして入って来る。

「あ・・のぉ~~先日電話で・・」
俺は電話で受けた印象と食い違いもあって、少し拍子抜けしてしまった。
「車から持ってきますので・・」と外に向かう、彼を追いかけた。

「車の中でも結構ですよ」と俺は言って、レジで他のお客さんに聞かせたくもなくてそうした。
掛軸が5~6幅、観光土産の置物が数点、ツボが、しかし、一目で価値の無い物と分かる。
「これらは、申し訳ないというか、はっきり言うと、価値がありあませんよ、ウチでは金を出して買いませんよ」

「やっぱり・・そうですよね・・・、それを文章にして証明して欲しんですが、なんとか・・」
価値の無いことを証明しろって、どうして?疑問は深まった。
「理由を聞かせてください、それから考えますよ」

「実は・・義父が亡くなって・・遺産相続で・・・どうしても納得しない人が出てしまい・・いろいろ言って来るんで・・」
彼はすまなそうな表情でビッシリ書き込みされた用紙をめくって示してきた。
それを読むと、「・・・絵画、掛軸、壺、骨董品も正式な鑑定書をとって・・・」とあった。

「10年ほど前から音信不通だったけど、死亡広告を見て、相続にいろいろ口出しを・・・」
彼の軽自動車だって10年くらい前のものであり、服装も地味で・・・真面目で実直そうだ。
遺産相続争いに巻き込まれて四苦八苦してる姿は滑稽で哀れでもある。

しかし、これもミソギって考えれば仕方のないことだって思えばイイのかな。
無意味なことを修行だと思って、それが無事終了すれば・・・笑い話になるサ。