リサイクル親父の日記

第675話 震災離婚ですか??

2013/06/11

宮城県仙台市と石巻市でリサイクルショップをやってます。
買取現場やお店では何かしら面白いことがあって、その出来事をアップしたいと思います。
この話は聞くのがちょっと辛くって、何と言葉をかけたものかと・・・

電話の彼はテキパキしてたから、買取品の状況が俺はハッキリと分かった。
電話でのやりとりの場合、俺の質問に端的に明瞭に答えてもらえると、大まか見積も即できてしまう。
「1年弱ですかね、コタツは未開封、ガスコンロもホントに綺麗っすよ」

仙台市の隣町、多賀城市で、駅の近くのマンション群のG棟の1戸であった。
「そこは前にも行ったことがあるけど、駐車場に入るのにポールを抜かないと、管理人さんに頼む・・」
「道路に止めてもらえば、その方が近くて楽ですから、大丈夫ですよ」

古めのマンションはエントランスが広く、通路も広いし、エレベーターも2基備わっている。
チャイムを押すと、彼がドアーを開けてくれる。
広目の玄関にPCラック、照明など数点があった。

「とりあえず、これらを、あとは中にあるんで、今、持ってきますんで・・」
俺は靴を脱いで一旦彼の後を追ったが、「こっちで待っててください、持って来るんで」と制止された。
女性に多いが、部屋の中に入れない場合がある。

しかしそれは物にもよるが、プライバシーを知られたくないのだろうが、その方がベターだと俺も思う。
男性では稀なんで少し驚いたが、別な何かがあるかも知れないし、それはそれでどうでもイイことでもある。
で・・・ちょっと時間が長い・・・んで・・・「俺の行きますか?」と声をかけてみた。

「大丈夫です、もうちょっと・・今、洗ってから・・直ぐ済みますから・・」
それと同時に水道の流れる音が聞こえるし、どうやら彼は買取品を洗っているのだった。
ガスコンロ、炊飯ンジャー、他にテレビ台・・・

1~2分では洗い終わりませんよ、5分以上はかかってた。
こんなに丁寧な男性は凄く珍しい。
「路駐だから、そっちが心配なんですよ、でも洗ってもらわなくても構わなかったのに・・・」

「ふ~~ぅ、これで安心です、助かりました、ここはみなし仮設住宅だったから、これから寮に入るし、離婚したからね」
「ひょっとして、震災離婚ってやつ??価値観の違いが出たの?」
「えぇ、バッチリ分かってしまったから、どうしようもなくなりましてね」

報道では分かってたが、目の前に当事者がいると思うと言葉が詰まった。
「・・・」