リサイクル親父の日記

第677話 あるコレクターの悩み??

2013/06/20

宮城県仙台市と石巻市でリサイクルショップをやってます。
買取現場やお店では何かしら面白いことがあって、その出来事をアップしたいと思います。
数日前に初めて来たお客さんが今日再来した。

グランドゴルフクラブを探して店内を徘徊、見つからずに訊ねてきた。
「グランドゴルフはあるかい?」、相当前からあったのを思い出して、俺もウロウロ探した。
「お~ぉ、これだよ、もらうよ」とパッと支払いを済ますと、骨董コーナーを検分しだした。

連れの友達が「もうイイだろ?さぁ、帰るぞ」と急かすため、後ろ髪を引かれるように店を出た。
ひょっこり今日は1人で来た。
「この間・・グランドゴルフをさ、いろいろ見たくってさ、見せてよ」

そう挨拶をしておじさんはジックリゆっくり品物探しにとりかかる。
好きな人が見る見方は分かる。
慈しみが滲みでるし、例えば手にとる仕草でも大切にしてくれる。

それに年上、それにお客さんの立場であっても口調がへりくだってるし丁寧なのだ。
だから野暮ったい俺でもその雰囲気と所作で分かるのだ。
ただ骨董に詳しい人が店を試すように訊ねてくる場合もあるし、その辺は気を抜けない。

1時間も探してだろうか・・・「買わないで買えるのも・・一つで悪いが、これもらうよ」
そう言ってからカウンター前の椅子に腰かけて、色々俺に話しかけてくる。
コレクターは自分の持っている物を自慢したり、見識を披歴したがるものだ。

俺は適当に相槌を打ってたが・・・できれば常連客になって欲しいけど・・などと希望的観測をしてた。
くすぐるように俺は言葉をかけてみた。
「たくさん、イイ物をいっぱい持ってるんでしょうね・・」

「そんなたいした物はないけど・・子供は興味持ってくれないし、死んだらどうなってしまうか心配でさ」
コレクターは自分が金も情熱もかけて収集した物が、死後に二束三文で処分されるのを心配する。
「だからね、子供をね、小さい頃からね連れ歩いて、少しでも骨董を分かるようにと思って・・・」

「それじゃ、安心ですよね、子供さんが引き継いでくれるんでしょうから・・」
「それがね、大きくなったらサッパリでさ、今じゃ、見向きもしてくれないよ」
「・・・」俺は返事のしようがない。