リサイクル親父の日記

第679話 こんな田舎でやれるの~~~

2013/08/09

宮城県仙台市と石巻市でリサイクルショップをやってます。
買取現場やお店では何かしら面白いことがあって、その出来事をアップしたいと思います。
ホントに長いことブログをアップしてなかった。

店が暇なこともあって、暇だと面白いことも少ないし、儲けがあるかどうか分からないから気分がのらないのだ。
その重りがドシッと心に沈んでると、感受性も限りなく鈍るし、景色がシロクロに色ざめる。
例年真夏は業績が最悪、店内が異常に暑くてお客さんが寄り付かないし、来ても早々に出てしまう。

外気より数度は上がってしまう店内だから、特に午後から夕方にかけては軽~く30度オーバーである、今も35度ほど。
ジワーッと高湿度の中で何時間も過ごしてるって、サウナ風呂に長時間使ってる感じかもね。
梅雨が長引いて俺はちょっと喜んでたが、それでも立秋は過ぎたが猛暑は続くそうで、まぁ、8月は諦めてますけど・・

先月と昨日と別件だが見積と買取があって、店から1時間半から2時間かけて山奥方面に走った。
先月の件では、国道4号線を北上して大崎市から鳴子温泉に向かって、途中から山奥へって感じだった。
帰り道に一旦鳴子温泉側に向かって国道に降りたが、その国道沿いのコンビニ跡にリサイクルショップがあった。

興味があったから寄ってみる。
コンビニだったから狭い、立錐の余地なく品物が二重三重に置いてあるが、一昔前のリサイクルって感じは否めない。
競争がなくて独占的なので、この値段でも売れるのかと思うが、それにしても高過ぎる。

羨ましさはないが、やっぱり競争原理がないと値段が滑稽になるんだね。
時々田舎からのお客さんが来て、その地域のリサイクル事情を話す場合がある。
これだけ車社会になってるので、実は誰もが遠出ができるし、しかし反面真逆の人いるから、まぁその辺で商売してるのかなって考えるしかない。

それ以外にはサイドビジネス感覚ってこともあるだろうか、売れても売れなくても問題ないとかね。
俺の店は年々厳しさが増すばかりで頭が痛いが、リサイクルショップ業界全体では発展(?)してるのかと改めて思う。
昨日は地域は全く違うが、国道286号線をひたすら山形方面に向かって行った。

仙台市の水源、釜房湖を越して更に川崎町の端の方、別荘が数十棟、いやもっと100棟以上はある場所だった。
本来は別荘地だ、しかし、その別荘を本宅として暮らす人だった。
3.11大震災で仮設住宅に居たが、この別荘を購入したんだ。

年金暮らしの老夫婦、海岸近くで津波で家も流出、居住危険区域なので何処かに移住するしかなかった。
ここだったら絶対津波は来ないし、年金生活だから通勤とか考えなくて良い・・・だから山奥でも・・・
知合いが好意で譲ってくれた座卓や座イス、照明スタンドなどは、例え引き取りできない程の無料でも中古だった。

「冷蔵庫と洗濯機は買取しますが、こちらは無料でも無理です」
「そうよね、もらったのはイイけど、わたしらも古くて、ここで燃やしますわ」
被災者に対しての好意も、本当に要る物であれば問題ないのだろうが、何でも押し付けられては有難迷惑かも知れない。

その帰り道に、そこもまたコンビニ跡だろう建物に「アンティーク」なる看板を見つけたので寄った。
駐車場は十分な広さ、店は外装は派手さはないがセンスが良さそうに思える。
店内は大変綺麗に整理されてて陳列も素晴らしい、イギリスアンティーク家具がメイン、プラスアルファ的な品揃え。

プライスカードの表示は英文表記、意味の分からない物もあるが現物は分かるから心配はない。
にこやかに微笑む女性がレジに居て、その奥の扉が急に開いて髭の男性が顔を出したと思ったら直ぐに引っこんだ。
お客(?)が俺一人なので店内を見るっていっても直ぐに終わる。

「・・前から・・やってましたっけ?」と当たり障りのない質問をした。
「今年4月からです・・」と爽やかに答えてきた。
それなのに・・それなのに・・・と俺の疑問は膨らんだ。

店を出てトラックに乗って、「それなのに・・」の理由を考えた。
陳列家具の約4割(目勘)に値引き表示がされてたのだ。
「40% off」と「50% off」、値引きセールではないのにそのポップが目立ってる。

40や50%値引きしてもまだ儲かる商売なのだと思えると、最初の値段は何なんだろうかと疑問が出る。
開店して約4ヶ月なのに・・・売れてれば「売約済み」「取置き品」があってしかるべきだ。
人ごとには思えなくて、俺は真夏なのにジトーッと冷や汗が流れた。

田舎の国道沿いなので家賃は安いはず、でもお客さんがどれほどかは定かではないし、そうそう期待はできない。
だとすれば家賃以外の固定経費も極力抑える必要があろう。
そんな田舎リサイクルショップを俺は夢想したくなった。