リサイクル親父の日記

第691話 年寄りの喧嘩

2013/10/02

俺の店はお客さんにお茶を出したりする。
お茶って言ってもコーヒーのこと、真夏は麦茶になっているが。
俺の主観で気にいったお客さんだけに提供してるが、このサービスに公平性は全くない。

店に来てくれたことへの少しのお返し、或は一緒にお茶したいと思える好感のもてる人と時間の共有。
いずれにしても、判断基準は俺の主観だけだから、一般のお客さんは怪訝な顔をしてる場合も多々ある。
店の販売トークをするためじゃないから、世間話に身の上話などいろんな事を語り合ってる。

だから初めてのお客さんとも数回お茶すると、かれらの人生がみえてくる。
70代のカップル、カップルは当たらないが二人連れ、お爺さんが運転して他の仲間数人とかで来てた。
4~5年間くらい通ってたろうか、ある日ある時あることでお婆さんと俺は喧嘩になってしまった。

もともとお爺さんがメインのお客さんで、お婆さんはご近所の友人だったが、これが気が強くて我も強い。
それ以来お爺さんも気が引けたのかパタリと来なくなってた。
それでも半年に1回くらいヒョッコリ独りで来ては買い物してる。

俺はお婆さんの話は出さない、お爺さんがボソッと近況を話すが聞き流してた。
そして、数日前にお爺さんが又やってきたが、来店間隔がとっても短いと感じてたら・・・
「・・あの女と大喧嘩になっちまってよ・・・強情でどうしようもねぇ、だから・・怒鳴りつけてよ・・・」

お爺さんの顔はみるみる紅潮して湯気が・・口角泡が吹き出してきてる・・
聞くだけ聞いて、暫し落ち着くのを待った。
俺も数年前のある日ある時あのことを思い出して、感想を伝えた。

「あのお婆さんは、XXXさんを利用してましたね、金を出させて車を出させて、言葉悪いがタカリでしたよ」
「そうだよな、そだったろ?随分金を使わされて・・・指図に命令をするようになってきてて・・・」
お爺さんは中年離婚の独り暮らし、だからお婆さんに色々親切にされてほだされてたんだ。

お爺さんは年々身体も弱ってたから、お婆さんは全てにおいて支配しつつあったようだ。
でも、お爺さんが大喧嘩したのは本当に良かったと思えた。
世の中にとんでもないこと、想像できないこと、予想外、驚愕至極のこと、・・・数え切れないことがたくさんある。