リサイクル親父の日記

第698話 アレッ・・多く値引きしちゃったょ~~

2013/10/13

仙台と石巻でリサイクルショップをやってます。
骨董品も扱うようにしてますが、こっちは素人に毛の生えた程度しか分からない。
リサイクルとして創業したから、同業の調査と俺流の追求に熱中したもんだ。

ある程度の形というか流儀、俺流コンセプトと方法を確立できた頃、あるお爺さんからお礼の言葉を頂いた。
リサイクルショップも未経験なのにぶっつけでやったことだ、今考えると冷や汗もの。
創業後数年経ってた。

「あの時、あんたの店で買わせてもらった「セトモノ」はさ・・良かったし、うんと安くて嬉しかったよ」
聞けば、人間国宝の酒器セットなのだった、時価20万円以上する。
店は当時、酒器セットは売れ行き悪いから安く売ってたし、確か3千円だったそうな・・・

売主も知らないから、買い取る俺も知らないから知らない同士の取引では、驚く商売が起こってるという証し。
だから俺は骨董の勉強(?)も然り、相場観を身につけないとならないと感じたのだ。
もう10数年前なんだけど、素人も骨董のセリに足繁く通うことで頑張ったんだ。

だから最近は店で扱う骨董(?)風商品には、ありきたりだが相場観が反映されてるようだ。
そうする骨董品の売れ行きは極端に悪くなる。
余程の好き者とかコレクターが稀にポツリと手にする。

「これ買いたいが・・・幾らにしてくれますか?」とか指し値をしてきたりする。
初めてお客さんの場合でも同様に要求してくるんだ。
俺は対象品が在庫としてあった方がイイか、或は、そろそろ売り払った方がイイかを考えて・・・

バ~ンと値引きして販売することも厭わない。
それもこれも商品の鮮度感とか、希少性があって骨董価値がどれ位かとかを総合判断して決めてる。
数年前に何回か骨董品を買った中年男性だった。

「・・イイ甕、入ってますね・・・あの徳利も欲しいしな~~」と彼は俺に呟くのだ。
どうやら今日は本気で買うつもりがあるらしい・・・そんな思いがした。
「甕は昨日仕入れたばかりなので、値引きは難しいが・・・徳利はもう何年も経つしね、考えますよ」

「本当ですか?幾ら?」彼の瞳が俄然輝く。
ド~ンと値引きを示すと、「イイんですか・・じゃ買います」即決だ。
俺はレジに持って行って、「・・万円にしたので・・」と従業員に箱入れと代金精算を依頼した。

彼は財布から万札を何枚か取りだして渡してくる。
箱入れが終わって、彼はルンルン気分で帰った(ように俺は感じた)
・・・

ガラスショーケースに残った値札を片付ける時、ふと最前のやり取りを反芻すると・・・
ムム~~ム・・確かにド~ンと値引きを伝えて、X万円引きにした。
値札は・・・万円5千円だから、・・万円と5千円になるはずなのだが・・・

俺は「・・万円」ちょうどにしてしまってた、5千円多くいつの間にか、レジカウンターに行くまでに更に勝手に引いてたのだ。
ルンルン気分はどうやら俺の方で・・・