リサイクル親父の日記

第700話 保証書を買ってね・・・

2013/10/15

仙台は学園都市の趣きがあるかな。
大学や専門学校が結構あって、学生の引越しに伴う買取が多い。
春先2月から3月、4月初め頃は物凄い件数、でも俺の店には他所で断られた人からが大変だったりしてる。

「何軒か断られて・・・来てもらえますか?」「来週は空いてますか?」とか不安いっぱいの電話です。
他所の繁盛店で忙しくて断られて、それで色々探して、やっとウチに辿り着いた感じなのだ。
予約が殺到することが無いので、大概は対応できるし、この時期は物が集まるので大変ありがたい。

そんな買取に伴って、最近の学生のある傾向が分かる。
引越しの片付けを親が来仙して一切合切やるのだ。
親が直接電話をして来る。

当日、現場で電話の主が実は母親だと気づく、或は、子供が何もせずに傍観してるとか。
学生の何割がそうやっているかは定かではないが、増えてる気がする。
両親と娘さんが部屋にいた、母親が一生懸命荷造り作業中、父親と娘はウロウロって様子。

「もう来たの!?凄い早いんじゃないの」と彼女は俺に言った。
「約束の11時ですよ、1~2分前だけど・・」ムッときた俺は反論しちゃった。
独り汗だらけで作業してる彼女には時間が早くなっているらしい。

冷蔵庫と洗濯機は申し分なく新しくて綺麗だった。
「今年のものだし・・2台でXXX円ですね」俺は査定金額を伝える。
「春に買ったばかりよ、もっと高くしてください、ダメですかね?」ネゴってきたが、俺も頑張った査定をしてた。

「・・しょうがないわ、持って帰れないし・・それで頼みます」と合意に達した。
「ところで取説ありますよね?」と聞くと、説明書ファイルを取り出して探し始める。
ファイルに保管してるってかなり一般的多い気がする。

「あっ・・あったわ、えーっと、これだわね・・・保証書もあるわね、5年間付いてるわね」
レシートの形の保証書を詳しく読んでから、それで再度の交渉をしてくるのだった。
「5年間もあるのよ、これも付けるから値段高してくださいな、どう?あった方がイイでしょ?」

一度値決めをして再度交渉するって、俺にはよほどのことがないとあり得ない。
一言も発しない当事者の娘、それにウロウロしてる父親、独りで仕切ってる母親の彼女。
現代の縮図を見たような気がして、「500円足しますよ」とスンナリ応じた次第。