リサイクル親父の日記

第704話 俺も・・やっともらえるように・・・

2013/10/21

販売した時に領収書をくれという人はいる。
自営業や会社であれば当然で、記入内容を色々変えてくれと要求してくる場合がある。
明らかに私物にするのに経費にしちゃうとか、それなりの事情があるようだ。

俺はその要求をある程度は受けるが、例えば、金額を書かないでくれとか、大きく増額して書いてくれなんて場合はきっぱり拒否してる。
それに対しても反応が様々で、堅いな~とか、融通がきかないなと呆れられたりする。

逆に俺は思うよ、たかがリサイクル品でそんなみみっちいことをするな!
20年くらい前、知合いの倒産した男が領収書の束を売り歩いてたを思い出す。
細々したレシートを束にして、金額は数十万円ほどを「額面の10%で買ってよ」だって。

経費で落とせば100%だから、差額90%を脱税(?)できるということだ。
節税と男は言ってたが、どう考えても脱税だった。
こんなセコイことをしてたから、自分の会社をつぶしたんだろうがって言ってやりたかったね。

先日、年寄り男性客が冷蔵庫とテレビを買う場面。
色々迷っている、俺はその迷いが他所の店との比較だろうかと思えた。
だから「2点買ってくれるなら配達料は無料でイイですよ」なんて売りこんじゃった。

「予算がよ・・2万5千円なんだよな・・2つだと2万8千円だし・・領収書は書いてもらえるよね」
配達を無料にして、尚且つ、売れ筋商品を3千円も値引きなんてできる筈がないし。
俺は黙してた。

彼は独りごとのように話し始めた。
「2万5千円か・・テレビは贅沢品だからなぁ~~う~む、やっぱりテレビ無いとなぁ・・・」
何処かの会社の派遣で仙台に来たのか、アパートに電化製品を揃えるのか・・・

すると彼は俺を正視する。
「俺もね・・やっともらえるようになってさ・・それで買い揃えるんだけど、テレビがね贅沢品だから金が出なくて・・・」
どうも俺には理解ができないから、「どうしてですか?」

「・・生活保護がさ・・・だから、領収書は冷蔵庫代ってことに・・テレビも認めて欲しいよな、全く!」
ドテェ~ッと俺はもんどり打った。