リサイクル親父の日記

第705話 家族で行きたいが・・・

2013/10/25

買取依頼の電話である。
買取品について、俺の方から問いかけて、それで答えてくるのが一般的だろう。
彼は自分で全てを説明するので、俺はメモをとるだけでよかったのだが・・・

こんな場合には相手のことをどのように想像したらイイかかなり迷ってしまう。
「まだ2~3年でしょ、使わないってことは、引越しとかですか?」
「単身赴任が終って、それで家に持ってきたが使わないし・・」

岩沼市は仙台市の隣の隣だが、店からはさほど遠くはない。
郊外の山寄りの新興住宅街、それが新しい住所に変更されたばかりで、ナビでは現れない。
彼の家に着くと、屋根付き駐車場に梱包された状態で洗濯機、冷蔵庫、ガスコンロがある。

俺が歩いて行くと家の玄関側から彼が寄ってきた。
梱包を2人で解きながら短く会話した。
「今日は休みですか?」

「まだ単身から帰ったばかりだけどさ・・又・・今度はさ・・中国へ行かなくちゃ・・・」
「エッ、そりゃ大変ですね、やはり単身で・・」
「今までは国内だから単身でも良かったが、今度は上海でさ、本当は家族で行きたいんだ、3年だしね」

解いた梱包を剥きながら俺は冷蔵庫やらの年式を確認してた。
「2011年、こっちも・・大丈夫です、問題ないです、でも大変ですよね」
「政治的なこと、環境などを考えると、単身で行くしかないよね」

淋しそうで悲しそうな彼の表情は本音であろう。