リサイクル親父の日記

第723話 意外や意外にビックリです・・・

2013/11/28

「そうですか~~いつ頃がイイんですか、ご希望日は・・・」 
リサイクルショップとしての出張買取はまとまったので日時に移った。
「できれば~今日休みなので・・これからお願いしたいんですが・・・」

住所を聞くと、車で10分くらいなので何とかなりそうだ。  
「分かりました、30分以内に行けますから」と答えるも、気乗りがしない。
ドレッサーとスタンドミラーの2点、両方とも店では非常に売れ難いのだ。

しかし出張することにしたのは、全般的に買取が少ないから少しでも商品を増やしたいという気持ちだ。
それに1年前、半年前に購入したばかりで、キズも無く良好な状態だという言葉に魅せられた。
国道4号線バイパスを北上して大きな橋を2本渡って右折して向かう。

地方銀行の隣の古いアパートの2階の部屋、建物は壁や床のペンキ剥げが斑模様状。
ドアーだけは昨日今日塗ったばかりのように濃紺がビカビカ光ってる。
1Kのドアーが開いて彼女がドアーノブを押しながら俺を中に招くが・・・

ノブを外に突き出してるから、俺は彼女と交差しなければ入れないので・・・
「どうぞ・・どうぞ」って言われても、俺は躊躇する。
流しと冷蔵庫が並ぶ、反対側はトイレや風呂だろうが戸が閉まってる、その狭い廊下を通る。

部屋は窓際にベットがど~んと見えて、カーテンもベットカバーも部屋中が統一感がムンムン漂う。
どうして彼女は30代中くらいだろうか、休みだから部屋着で独身(?)だろうか。
ベット前にコタツ、壁際に洋服類がハンガーラック2~3条にモリモリ吊られてる。

別の壁際にドレッサーとスタンドミラー、それに棚などが並んでる。
「アレ~~、これはお姫様仕様でしょうか、ベルサイユの薔薇のようですね・・・」
俺は感激して思わず叫んでたんだ。

どれもこれも物という物は白い色で統一されてて、金色の細いラインやピンクの花柄があったりしてる。
洋服も同一、雰囲気はメルヘンチック甚だしく、俺は自分がおっさんだと改めて自覚する。
一瞬は夢心地を覚えるが、直ぐに違和感が湧きムズムズと変な感じがしてくる。

「ビックリしました、まさかこんなドレッサーやミラーだとは思ってなかったんで・・・
この家具とかはかなり高いんじゃないの?手放すの惜しくないの?」
「部屋が狭いし・・別の物を置きたいから、邪魔で・・・」

でも半年や1年前に買ったばかりじゃないんだろうか、その気持ちが分からない。
好きな物に囲まれてナルシストを極めてるんだろうが、幸せは幸せなんだろうね。
だって彼女はもったいなさなんて感じさせない、むしろ、これから来るであろう家具に期待を膨らませてる。