リサイクル親父の日記

第724話 こんな時に潰れるの・・・

2013/11/30

事務機の見積依頼があった。
スチール机やロッカー、書棚などで数量はトラック1台分はありそうだ。
リサイクルショップは買い取り先行でいかないと商売にならないから、できればまとめたい。

場所を聞くと仙台市青葉区の中心部、その辺に事務所があるとすれば物は期待できる筈。
仙台駅前を通過して暫し走って街路樹が茂ってる大通りの一角の信号機手前。
バス停の前のビル、2階でエレベーターを降りると、そのワンフローが事務所なのだ。

ワンフロアーではあるが決して広い感じがしない、建物はソコソコなのだが、オフイス関係は半分くらいなんだろう。
別の入口が住居向けになってるようだ。
二重扉の1枚目を開けると2枚目が半開きで、室内が見える。

3人の作業服姿の中年男性がいて、1人がケータイ中、別の2人がタバコを吸いながら会話中・・・
「こんちわー」と大きく声をかけると、みんなが俺を向くが険しい眼差しだ。
ケータイ中の彼は相手に中断する旨を告げて、俺を招く仕草をする。

2枚目のドアーから入って彼に近づくと、「この机、全部に・・あのスチール棚・・・それに・・・」
あ俺は相槌を打ちながら彼に従って対象品を素早く検品して回る。
メインの事務室があって、それに続く部屋が数カ所ある、重厚な会議室や書類倉庫、ちょっとした応接室。

そこは住宅建設会社にしか思えない、ハードカバーの分厚いカタログが棚に大量にあるし、各種図面集がそこここに乱雑に置かれてる。
「これ全部だけど、幾らで買ってくれる?」
「そうですねぇ~、結構古いし、バラバラだし、処分しなければならない物が相当ありますよ」

「処分代も含めてさ、何ぼになる?」
「ところで、例えば決まったとして、いつまでに運ぶんですか?」
「今月中、明日まで・・・それができなきゃ、12月2日とか3日までに・・・」

交通量が物凄く多いから、日中に路駐する場合には1人トラックに張り付く必要がある。
歩道も人と自転車で混雑するってことを思えば、早朝の閑散とした時間帯しかやれない。
トラック2台で4~5人で、すると経費を考えると査定金額は僅かしか出せない。

俺は査定を伝えて、やれる時間帯を告げてその場を去った。
しかし、どうして建築関係は総じて隆盛を極めてる現在、どうして彼らは・・・
設立から20年近い年月だろうが、雰囲気と事務機類を見れば四苦八苦の果の倒産らしいが・・・