2013/12/04
リサイクルショップも様々あるが、何でもと言っても、店ごとに買い取り基準はあるもの。
電話の問い合わせでは、とても商品に成り得ない物を「売ります」とか「無料で引き取って」って当然の如く言ってくる。
この感覚にはいつも驚くしかなく呆れるばかりだが、ゴミを処理するために利用しよって魂胆があるらしい。
察しがついてもその計略にハマる時もあるんだ。
物が集まらなくて落ち込んでる時にそれは起きる。
商売してる身は商品が欲しんだもん!
費用対効果、そんな恰好イイ言葉じゃ括れない「費用無視効果」作業と相成る。
遠く出向いて、大概がゴミの中から僅かな物を数点無理に見つけ出す・・・あぁ無情です。
下手な鉄砲も数撃てば当たることも無きにしも非ずだから、失敗にもめげずに俺は今日も行く。
彼女の電話の内容は、「・・ツボは買取するの~・・置物もあるし~~置くのにアパート借りてんのよ・・・
んで・・足の踏み場の無いくらいなの~~こけしなんかダメよね・・・父や母の残した物が・・・」
良く舌は回るのだが、意味不明で行ったり来たりの内容だった。
これじゃ他の店では普通は断るというか、見積に行く判断ができないからどうしようもないだろう。
今日はえらく暇な俺は興味深々ともしかしてという淡い期待を持ってしまった。
仙台市太白区八木山は同じ区だから遠くはない、直ぐに出向いた。
古いアパートの階段3階で2LDK、どの部屋にも段ボール箱が床一面に並んで積まれて、押入れも台所も洗面所にも置かれてる。
段ボール箱は蓋が開いてる状態が多くて、二重三重に積み上がってたりしてるし、中の物は紙で巻かれてる。
一つずつ検品するにも手間暇がかかる。
「2年以上借りてるの、家賃ばっかり・・・だから処分しようと・・・でも、何があるか確かめて・・・
時々、独りでやってるけど、仕事もあるし・・・捗んなくって・・・どれが何やら・・・・」
「そうですよね、あなたの物じゃないんですか?誰がここへ置いたというか持ち込んだんですか?」
父親が亡くなってから整理して、引越し屋さんに頼んで梱包、運搬したもらたそうだ。
今年初めには母親も亡くなって同様に整理したが、だから内容は彼女はからっきし分からない。
現実にこんな片付けがあるって摩訶不思議だし、今俺はこれを受け止めるのにビビリも感じる。
でもチャンスだと思えばチャンスだし、意を決して検品することとした。
掻き分け、取り出し、解いて、検品、選ぶ・・・
夢中に必死に取り組む、手の握力が無くなる、目はチラつく、それでも命の続く限りって感じでやった。
どうやら額入り絵画20点、こけし大小段ボールで7~8箱、置物10点、花瓶類、珍品・・・
どうやら商売になりそうな具合になったが、それを3階から二十数回往復して乗用車に積む。
久しぶりに俺は膝笑い、足がガクガクして、汗が噴き出してた。