リサイクル親父の日記

第741話 恐怖のメゾネットでした

2014/01/15

電話での買取依頼なのだが、俺は話を聞いても分からない場合がある。
リサイクルショップは中古品を買い取って転売するのが仕事。
ただし品物が中古であって、程度がどれくらいかによって大きく判断が変わる。

古過ぎたり、傷みが大きくて商品にならないないこともシバシバ。
だから電話である程度突っ込んで問うのだが、返事がトンチンカンだったりすることがある。 
「冷蔵庫もあるわ、え~っと・・いつだったかしら・・多分、5年くらい前、ベットもあるわねぇ~・・」

冷蔵庫と洗濯機、ベット、その他家具が数点で、どうやら5年前に買い揃えてた。
中には使用してない物、ベットは備えただけで寝ることには使わず、単なる飾り物的に上部に何かを置いたりしてるそうだ。
ベットを飾りにしてるって??
世の中には俺が理解できないことがあるし、それは特別な事情があるだろうね。

例えば、それはダブルベットだから一緒に暮らす予定が狂っちゃったとか・・・部屋数もあるから別の部屋で布団で過ごしてたなんてね。
でも彼女を前にその指摘をするほど俺も野暮じゃないし、初めて見積で会っただけだから淡々と査定すればイイことなのだ。

その新しいアパートの前に立った時に不吉な予感がする。
入口ドアーが2箇所並びなのだ、これはメゾネットタイプの証拠であり、彼女の部屋は2階なのだ。
玄関から斜め上方に階段が伸びて、上部で踊り場がなくて螺旋に90度回転してる。

実はこのタイプの2階の部屋にはいつも泣かされてきた。
大きな家具や冷蔵庫は階段で垂直状態に支えて、そして方向転換するしかない。
ところが階段の幅は狭いから前後に1人ずつしか持てずに、下側だと重い物を1人で支えざるを得ない。

だから壁にもたれてしまうし、すると角が当たって壁のクロスが傷つく。
ステップに置くにも螺旋状階段部ではバランスが悪くて、同様に壁に傷つく場合があるのだ。
そしてこのアパートは新築間もなくてビカビカに新しいときてる。

「品物は申し分ないんですが、ウチではやれません、運び出しが難しいし・・・」
「えぇ~~だってぇ、引越し屋さんが全部運んでくれましたよ・・」
「引越し屋さんはお金をもらってやるし、慣れてるし、ちゃんと傷付けないように梱包もしてるでしょうが・・・」

まぁ、品物は幾ら多くても構わない程欲しいのだが、君子危うきに近寄らずってことだ。
損害賠償を負ったら大変だし、たかがリサイクルじゃないか、無理は禁物。