リサイクル親父の日記

第742話 グルメっぽい彼の見積

2014/01/17

見積する時は現場に出向く場合もある。
電話で概略査定できる場合もあるが、数量が多いとか買取を逃したくないと思った時は出張するかな。
仙台市若林区六丁目は区画が整然としてて分かり易い場所だし店からは4号バイパス1本って感じで行ける。

問屋や営業所、配送センターなどが集積してる地区で周辺部にはアパートやマンションが数多く混在する。
電話で聞くと、物が比較的新し目で点数が多いから出張することにした。
独身30代男性、部屋が予想に反して整理整頓されてる。

見た目はむさ苦しさもあり、体系もポチャリとしてるし、モジャモジャ頭に不精ひげも有り几帳面さが感じられない。
しかし、玄関を入り台所を通り部屋に入って感じたのは、とっても整頓されてるという感じ。
俺が他人の風貌に関して何かを言える筈はないが、一般論として伝えるとということ。

それに台所のコンロ上には鍋とフライパンがのってるが、イイ匂いを醸して湯気が微かに立っている。
部屋の真ん中にあるコタツの上にはドンブリと皿があって、こちらもホカホカと美味そうに匂い立ってる。
彼は少し遅めの朝食を正に今食べたんだろう。

このタイミングで訪問するのは本当に彼申し訳ないと思う。
極上の独り飯、究極の朝飯、人生の最良の時間を邪魔されてしまうなんて、俺には残念至極で耐えがたいかも・・・
「出すのはどれですか・・・」と俺は彼に促す。

「そこの棚でしょ・・・洗濯機も冷蔵庫も・・・ガスコンロもです・・・」と約10点を示す。
俺は1点毎に検品する、傷みがないかを重点に、電化製品は製造年も確認する。
特別丁寧に使ってるというわけではないが、それなりにちゃんとしてる。

冷蔵庫を開けると、棚にはギッシリ食材が詰まってる、ボトル入れ側もビン類も紙パック果汁も・・・
これほど隙間無く品物が詰められてってのも珍しい。
それに、使ってる物もどれもがとても上手く片付けられてるから、見てると気分が良くなり、ある種の爽快感すらある。

検品してる俺の腹は何故か食欲が湧きでるので、彼の悟られない様に振る舞うのに一苦労だ。
もしかして彼は何処かでコックとかシェフとして働いてるかも・・・そんな思いがしてくる。
「全然関係ないけど、レストランで働いてたりしません」聞かずにはおれない。

「俺!サラリーマンっすよ、料理は趣味ですよ、食べますか?」
そこまでは甘えれない俺なのだ。
でも喰いたかったよ、遠慮するなんて、俺らしくな~~い。