リサイクル親父の日記

第743話 従順か暴君か・・・

2014/01/18

俺よりるかに若い夫婦、30歳前後くらいだろう。
仙台市中心部のマンションに2歳くらいの子供と3人暮らし。
ソファーの買取依頼は奥さんから数日前にあった。

「う~ん、そうねぇ~1.5人掛けだけど・・2人は大丈夫よ、だから大きいけど、ブランドは・・・」
相当気取った喋り方をするのが少し嫌な感じを受けるが、ブランドに吸い寄せらてしまった。
「あっ、そう、他にもあるけど・・まぁ、見積次第ね・・」

その朝、通勤で交通量の多い片側2車線に路駐して、ガラス張りのエントランスに駆け付けてインターホンを押す。 
すると男性の声が低く暗い感じで応じてくる。
電話の相手がインターホンに出るとも限らないが、少し意表を突かれた思いもした。

だから部屋に入って2人を目にした時、思いの外に若いから俺はちょっと不思議さを感じた。
奥さんは電話の時と変わらず気取っている、そして先導して進むとリビングにあったソファーを「あれよ」って示す。 
キッチン側に寄せて置いてあるダイニングテーブルに夫がへばり付いてて、PCに向かってる。

肘掛けに汚れがあったし、座面はヨレヨレ気味に変形もあった。
「買取は無理ですね、引取だけですね」と伝える。
奥さんは落胆した、そして夫に復唱するのだが、どうしてそうするのか理解できなかった。

だって目の前に全員がいるのだ、だが夫がPC作業中(?)ってことなんだろうか・・・
すると夫は奥さんに隣室を顎でしめして、「あっちも査定・・」と暗い声で言う。
次に奥さんは復唱して俺に指示してくる、「こっちの椅子とテレビは幾らになるの?」

年式が古い、でもテレビは査定は出せないが、椅子はデザインが良いから「こっちは2点でXXXX円ですね」って伝える。
すると、すると次に奥さんは復唱して同じことを夫に伝えるのだった。
夫は一度も俺と目を合わさないし、会話に応じようという素振りもなかった。

たったこれだけのことを奥さんを介してしかやらない。
奥さんは仲介するのが当たり前のように振る舞うから、二人にとっては普通のことなんだろう。
しかし、俺にはあまりにも奇妙で不可思議極まりない。

幼児は明るく人懐っこくて、俺の作業を邪魔するように寄ってきてる。
この夫婦の暗さと陰険さが幼児に移らなければイイなと思う。
この奇異な仲、俺には暴君と演技の従順さに見えたけど・・・