リサイクル親父の日記

第749話 悪い癖が出るんだな、これが・・・

2014/01/30

俺くらいの年代の夫婦だから中高年者に間違いない。
店のターゲットも似たり寄ったりだし、若い人向きでないのは確かだ。
おばちゃん、おじちゃんなどが好みそうな品揃えではあるが、俺もその方がやり易くて楽しくもある。

商売はあんまり年代が違い過ぎると好みが分からない場合がある。
俺が年なもんで、今時の若い人のことなんてサッパリだ。
そもそも自分の子供のことが良く分からないし、ジェネレーションギャップは甚だしいのだ。

若い人に合わせようとか対策するとかは俺にはストレス溜まる以外の何ものでもないんだな~~
無理に時代と流行を追えば苦痛が倍加して、何のために商売してるかと根源的な問題が表出する。
来るもの(品物も人も)拒まずという姿勢はあるが、流行品も依頼があったり、持ち込みがあれば取り扱う。

しかし積極的ではない、消極的に近いし、無理せずに価格が合っても状態もよければという程度。
俺が分かる物や興味の湧く物に対しては、できるだけ積極的に交渉もするし、買取したいと要望するんだ。
レジカウンターの前方数メートルだから、二人の会話がビンビン聞こえる。

奥さんが茶卓を何種類か手に取ってあれこれ思案して、旦那さんに相談するか迷ってる風に思えた。
その時旦那さんが言う、「いらねぇ、いらねぇだろ、いっぱいあんだろうが・・・」
するとクルッと背を向けて奥さんは、馬耳東風的に別な茶卓を再度検品し始める。

その繰り返しが数回目の前でやられてて、初めの頃は愛想笑いで聞いてたが、どうも俺も聞くに堪えないって気持ちになったころ・・・
旦那が俺の方に寄ってきて、「茶ダンスにいっぱい入ってるんだけどさ・・・どうして無駄な物ばっか、ある物を買うんだろうね、そうだろう・・・店長さんだってそう思うだろう・・」

気分を害し気味の俺は本音で喋っちゃう。
「・・考え方の問題だから・・・要るのもだけで暮らすのも方法だが、生活に潤いが出ないと思いますよ」
顔色を変えた旦那さんが反論してくる、「ど、どうせ使わないでゴミになるんだ、無駄だよ、そう思わないか!」

よせばイイのだが、俺もプッツンすると言うことは言っちゃうからね。
「使う物だけ、足りる物だけでは生活が味気ないんじゃないの、ある種の無駄的な物が余裕とか味わいを生むんだし、それが生きるってことじゃないの」
その時、奥さんが我が意を得たりとばかりに、「そうよ、そうなのよ、店長さんの言う通りだわ」と同調してしまう。

形勢不利な旦那さんはそそくさとレジカウンター前を去った。
俺は奥さんに謝った、「ごめんなさい、つい言い過ぎたようで・・」
「う~~ん、いつもだから気にしないでください」と言いつつ茶卓選びに戻るのだった。