リサイクル親父の日記

第752話 ドキドキの買取でしたぁ~~

2014/02/02

リサイクルショップがメインなのだが、俺は骨董についても少しずつアイテムを広げてる。
実用品のリサイクルに対しては、経験と知識がなかったが、生活者としての思いや考えで対処できた。
しかし骨董品は簡単に覚えられないから、やろうと決心してからは兎に角経験することを追っかけた。

セリに通って無我夢中で買取るという経験を重ねて、適当に値段を付けて売ると言う経験を重ねる。
レトロ的な部類は子共の頃に見たり聞いたりした懐かしさもあって、扱う上で親しみと懐かしさがあるから楽しさも感じる。
買わないまでもセリのやり取りを真剣に聞いて知識も得てきた。

門前の小僧、習わぬ経を読む、そんな具合にいつの間にか少しは分かるようになってた。
店頭販売では知ったかぶりではないが、お客さんに説明をできることもある。
お客さんが常連さんになってくれたりして、親しくお茶して骨董談義(?)も愉しんだりできるので面白くなってる。

でも俺は商売だから真面目に真剣に楽しみつつ、尚且つレベルアップを怠らないよう高額品にもトライしてる。
だから骨董類の買取があってもビビルこともなく平常心で査定できる。
査定できということは高値で掴むことを避けられるし、まとまればリーズナブルな利益も確実に取れるのだ。

10年前頃を思い出すと、失敗の連続、見極めの悪さ、販売のハチャメチャさが混在一体って状況だった。
年配の女性2人が店に来て、一直線に骨董コーナーに向かった。
2人はガラスケース内などを暫し見てる・・・俺は、狙いを付けてて今決心して買いに来たんだろうかなどと想像した。

ところが、2人は恐る恐る俺に近づくと・・・「あの~~・・買取・・して・・・見てもらってイイですか・・・」
買うんじゃなくて売るに来たということ、でも俺は骨董品だけじゃないが買取は大歓迎。
車から段ボール箱を3箱持ってきたが、紐掛け木箱が多数入ってる。

他には火鉢が2つあって、それは裸なので見れば分かるが、状態が文句なく良かった。
どれもが丁寧に保管されてと一目で分かるし、検品する時には俺も丁重に開けるように心掛けた。
木箱も汚れはない、品物も布に包まれて入ってるし、しおり、説明書も揃っているんだ。

購入して幾らかは飾って鑑賞はしたろうが、その後は完璧な保管がなされてたということだ。
次から次と検品した結果、高岡銅器が10点ほど、それに九谷焼壺、鍋島焼き観音像だ。
銅器は作家略歴が入っているから、これがると無いとでは販売時に大きな差が出るので、揃っていると本当に助かる。

「主人が集めてたの・・・こちらにも買いに来たかも知れないわね・・でも、昨年亡くなって・・引越すことにしたんで・・」奥さんが淡々と話すのだ。
「本当に素晴らしい品々だし、保管が更に丁寧で、ご主人は好きだったんですね」

「そうなのよ、気に入ると必ず買ったのよ、まだまだいっぱいあるし、それらも処分を考えてるの・・・」
時々、遺品整理的というか、コレクターが亡くなると収集品の買取依頼がくる。
廃棄処分は忍びないという場合、或は換金したいとか、理由は様々ある。

どうやら奥さんの家にはまだたくさんあるし、相当なコレクターだった可能性が高い。
俺とて興味が深まるのは当然だが、もっと上等な品があるような気もするし、それらを検品したくもなった。
今回の買取査定はだから奮発したのだ、「・・XX万円でよろしければ買わせてもらいます」

「ホント!?そんなに高くですか、いつ家の方に来てもらえますか?」
奥さんは興奮気味に言ったが、俺は物が物だし買い叩くという訳にはいかない。
でも、ドキドキ(銅器銅器)した買取でしたが・・・