リサイクル親父の日記

第754話 男、男・・続々と・・

2014/02/04

リサイクルショップの出張買取現場も色々あるといつも思いを新たにする。
想定外、想像外なんて世の中にはたくさんあるんだと感じてしまう。
それだけ俺も知らず知らずの内に概念を固定させているらしく、だから驚く自分に更に驚くってことがある。

買取がまとまって、場所と日時の段階になって、青葉区上杉・・・と耳に入った。
どうも優柔不断で暗いトーンの話し方なのが気になってたが、俺のペースで進めた。
「バス通りですね、交通量が多いし、できれば早い時間帯で混まない時がイイんですがね・・・」

「はぁ~、そうですか・・・えぇ、分かりました~~」渋々了解した感じだった。
バス停近くで民家にマンション、ビルが並んでるから、邪魔にならないよう道路の駐車位置を厳選した。
新しい賃貸マンションはグレーとホワイトのツートンでハイセンスだった。

インターホンを押すが、少し間が開いてから、彼の声がする。
朝早いのがシンドイのかと察したが、中に入ってエレベーターに乗り、6階で降りると真ん前が部屋だ。
やっぱりインターホンを鳴らしても直ぐにはドアーが開かず、数分経って室内灯が点いて、やっと開くのだった。

30過ぎで電話の声と風貌が一致してる、それにしてもボサバさ頭で眠気満々、カーデガンを羽織ながら寄ってきた。
玄関にスニーカーなど4~5足乱雑に見受けられるが、どうやら独身の様子だ。
3LDK、廊下を進むとダイニングキッチン、テレビ、テーブル、ソファーが目に入った。

どれもが新しそうだし汚くもなく、むしろ良品であり、買取に問題はない。
彼が買取品を示すので、検品のため移動してたら、居る筈のない男がニョキッと視界に入ってきた。
床に寝っ転がってて、彼も今まさに寝起きたらしく、眩しそうに目をクシャクシャさせてた。

(??男同士で暮らしてるんかい???)でも、俺は口に出さなかった。
そしてリビングに続く和室、そっちは灯りが点いてない、を覗くと、若者が2人寝てるんだな???
どうしてかは定かじゃないが、理由を聞く気にもなれない。

淡々と検品を終えて搬出に取り掛かった。
彼は別室に入って呼ぶ、「これも持って行って欲しんですが・・・」と頼むのだ。
その部屋にも男が1人で布団に寝っ転がってた。

合計、1人と1人と2人と1人なので5人男がいた勘定だ。
年齢は30から30中、全員が普段着のままで寝起きしてた。
依頼者が一番偉そうだが、権力的じゃなくて、仲間内のボス的というか金持ち男に思えた。

幼児性があったのは玄関の下駄箱上にウルトラマンのフィギアが7~8点飾ってあったことぐらい。
リビングの棚や壁にレコードカバージャケットが10数枚飾ってあって、俺には縁の無い種類だ。
作業終盤に、男2人が小型家具を別々に持って帰ったが、「ありがとうございます」と俺を言ってたなぁ~~