リサイクル親父の日記

第756話 どうして、店なんかぁ~~

2014/02/06

知合いが商売を始める時、とっても心配してしまう。
相談を受けた場合は親身になって考えるが、その仕事の業種は分からないから精神論になっちゃうわけ。
やりたい人に止めさせる理由はないとしても、資金や見通しの甘さがあれば、起業の先輩として意見は言えるのだ。

決意が本物かどうか、潰れることを覚悟できてるかを問う。
ユルユルで甘い場合は、俺の若かりしころの体験、失敗談を延々と伝えることにしてる。
自分の実力を試したいなんて夢物語から起業した俺は、それこそ大失敗して破産寸前まで行ったんだ。

誰だって分かることってあるよ、例えば、起業する側じゃなくてお客さん側で考えると自明の理ってことが。
俺がお客さんだったら、消費者だったらって、何処かの誰かの何かの店を見ると、採算はどうなんだろうと気になっちゃう。
それがですね、マンションの5階を喫茶店にして、駐車場はないって聞くと、わざわざどんな人がお客さんになるのって疑問しか出ないね。

70代の母親と40中の娘、二人は街中でマンション住まい、母は年金暮らし、娘は震災後に失業した。
どうやらローンはないらしく、母親は少し蓄えもある。
娘の再就職を探したが、彼女の希望する職は見つからず、失業保険が切れた頃から起業を考えだした。

何故、近くで家賃が安いからと5階で、改装費にX百万円もかけちゃって・・・
娘さんの将来を考えて、母親も手伝えるしってイージーゴーイングしちゃうの。
もう直ぐ1年経ちます、開業後は一度も俺の店には来なくなってるが、風の便りがあるから。

共通の知合いで別のお客さんが時々状況を教えに来るから、その度に心が痛む。
でも、彼女らは俺には相談することはなかった。
ただ、開業準備で最後の買い物に来た時、分かり難い読みにくいチラシを渡してくれた。

知合いのお客さん談として、
「知合いがほとんどよ、一般の人がサッパリだって嘆いて・・・」
「支払いがキツイって・・・生命保険から借りたり・・」

遂に昨日は、「娘に夕方からバイトに行けって言ったらしいわ」
・・・
どうしてこうなるの、あれだけ世情に長けてた母親なのだが、身内や自分のことになると見失うんだね。

初めて起業する時は、不思議なくらい自分に自信があって、失敗することを考えもしない。
夢中で準備に取り掛かってて、予算も何もあったものじゃなくて、単に「起業」や「開業」することに燃えてしまう。
開けてからマーケットの真実、認めたくない現実に打ちひしがれるのだ。

成功に導くのはもう遅いのだが、撤退方法を相談に来ないかな・・・
俺は何度も失敗と撤退と後退をやってきてるから役立つと思う。
見栄も欲も捨てて、惨めだとしても現実を受け入れる覚悟をしなくっちゃ。