リサイクル親父の日記

第779話 何時でも構いませんから~~

2014/03/08

この時期は特に大学生からの要請が数多くなるのはしょうがない。
仙台は大学や専門学校が多いから、そして卒業シーズン到来だ。
人間の心理は実に面白いもので、誰彼なく同じ言動を示したりする。

どうして切羽詰まった状況になるのか不思議なのだが、今直ぐとか明日とかに出張して欲しいと言ってきたりする。
リサイクルショップの買取としては、この状況は悪くはない。
買い叩く訳じゃないが、学生さんの希望に沿うことが第一だとすれば、金額うんぬんは二の次。

俺のスタンスは、この時期は朝から午前中に予定を組んでいる。
ドタキャンがあったりして予定が無くなることもあるし、そんな時に電話依頼があれば俺も好都合。
積極的にまとめる努力をするが、物次第なのは当然だし、金額もそうだし、日時も主導できるのだ。

ネゴは自分の土俵が一番なのだ。
それをゴリ押しする気はないが、マイペースでまとめていくのが疲れも無く、時には楽しく作業がこなせる。
彼女は本当に焦ってる声だった。

「できれば明日中に片付けたいんですが・・なんとかなりませんか・・・」
でも予定も入ってて午前中だと時間が取れない、午後も難しいし、暗い時間は危険があるのでやらない。
「明日であれば、早朝しか行けません、決まってる予定の前の時間ですから・・・」

「エッ、えぇ~~、何時でも構いません!!」喜ぶ声が安堵感を湛えてた。
真っ暗い早朝にトラックを出して、マンションに着いても薄暗い。
学生向けのこの賃貸マンションは何回か来てたので、駐車するにも早朝であれば何も問題がないのだった。

むしろ日中の方が難しい、管理人さんの言う通りにしなけばならなし、住人の邪魔になっては叱られてしまう。
ここのエレベーターのアナウンスがバカでかい音声を発するのだ。
「6階に到着しました!!」とか「1階です」と、シーンとしたマンション内に響き渡るのだ。

彼女はオートロックにもインターホンにも即出てくれてた。
それが誠実で感謝の気持ちを表してたし、俺も真面目さを感じた。
部屋の中は、俺の買取品と荷造りされた段ボール箱とにハッキリと仕分けされてた。

それらは綺麗に掃除されてたし、俺は運んでそのまま商品として陳列しても問題ないと思うほどだ。
こんなにしっかりした彼女なのに、どうして昨日の今日という案配でリサイクルショップを呼ぶんだろうか。
「随分急ぎだったんですね」と俺は聞いた。

「本当はもう少し先だったんです、でも、ちょっと予定を早くしないといけなくなってしまい・・すいませんでした」
謝る必要はないのだが、彼女の控え目な受け答えが清々しい。
その事情まで聞かなくても・・・大丈夫です、ハイ。