リサイクル親父の日記

第782話 ダブルブッキングですか~~

2014/03/12

メールでのやりとりでまとまった買取だった。
遠方、関東から仙台に来るので日時指定されてた。
だから予定に余裕がある俺の店にはうってつけ、というか暇な店だから対応できる。

両親が亡くなって家を処分するが、家電家具などを買取して欲しいという。
当日見積搬出をすることが条件、だから2人でトラックで出向いた。
仙台に居る時間を最小限にするので、こんな計画をする人がいる。

入り組んだ細い狭い道路だったが、最近家の側が区画整理で激変してた。
できたばかりの道路沿いのため、ナビだと迷うこと甚だしかった。
それでも近隣を歩き回って探りあてたが、想像に反して家はまだまだ立派で新しかった。

歩道が広いので、歩道に乗り上げて門扉ギリギリに止めた。
依頼者は1人で片付けをしてる最中で、且つ、居間の座卓上にパソコンを置いてしょっちゅう向き合ってた。
口の身もなんとも軽~い感じは都会っ子的なんだろうか、もう50は過ぎてそうである。

勝手に物色して構わないと言われたが、俺は各部屋を検品して見積をしようとしてた。
その時、チャイムが鳴って誰かが訪ねてきた。
彼は応対してたが・・・同じようなこと、似たようなことを何回か説明してる様子。

「リサイクル・・」とか「見積」とかの単語が多い・・まるで俺のことと同様な感じを受ける。
俺は廊下越しに玄関の方に顔を出した。
・・と、見覚えのある顔が、以前より少しふっくらした同業者が来てたのだった。

一瞬で俺はここで見積競争させられることが、とっても我慢ならなくなった。
平静さを装い、「俺の方は別に大した物がないから、譲りますよ、降りますから・・」と引き下がろうとした。
すると同業者も、「トラックはあんたのだったか、ひょっとしたらと思ったが・・・別にイイからさ・・」

俺らは互いに表面的に譲り合う形になった。
すると依頼者の彼はバツ悪そうに、「メールではXXXさんの方だけに・・・」と俺の方を言う。
渋々、同業者は帰らざるを得ない空気になった。

そして、同業者は彼を無視して俺に遠吠えのように話しかけてきた。
「この間さ、2億円の買取があったよ、そんなんだったらイイがね」
思わず俺は反応した、「それじゃ・・あくせく小さな買取回んなくてもイイんでしょ」

「買った総額、昔から使った金が2億ってこと」
だったら、初めからそんな言い方すんなよ、ってイラっときたね。
でも、ダブルブッキングの彼はイケないよ、同業者に無駄骨を折らせて。