リサイクル親父の日記

第787話 仮面の女が・・・

2014/03/17

この時期はリサイクルショップは買取で忙殺されてるらしい(?)
俺の店はそこまでじゃなくて、ほどほどに出張買取が入ってる程度。
ある程度抑え気味に予定を取ってるので、無理にたくさん入れてない。

電話で切羽詰まった人が問い合わせてくると、中には本当に切迫してる人がいる。
それに大変下手(したて)に出てきて懇願する人などがいる。
需要と供給的に解釈すれば、処分先(廃棄じゃなくて、物をなくす、持って行ってもらう)が見つからずに困っている状況。

「今月中でイイんですが、空いてますか?何処も難しくて、断られてて・・」と訴えてくる。
そんなケースは、実は俺のペースで出張買取予定をすることができるので、非常に都合がよろしい。
でも、俺のペースにどうしても合わせてもらえないこともあるから、まとまらないケースもあるんだ。

お客さんの住所と買取品次第ということなのだが、ワントリップ的に一度にグルッと回ってこれるように組む訳です。
これは俺には合理的だし無駄もなく効率がイイだから、できるだけこうすることにしてる。
「ダイニングセットとソファーですが・・・何とかお願いします、2年前ですね」

彼女の悲痛な叫びに俺は応えた。
アパートの2階の一番奥の部屋、外階段を登って通路に出たら、ドアーが90度に開いてた。
ドアーにピンクのチリ取など掃除用具が数点掛かってて、何とも可愛らしかった。

この季節にドアーを開けてまで待ってるなんて、それほど有難いということか。
だから彼女が愛想よく迎えてくれると感じたが、そうでもない。
電話の時の声とすっかり変わってて、平常心、或は、非常に醒めた低いトーンだ。

2DK、どの部屋にも物が整理されてたがギッシリと積まれてる。
洗濯ものが異常に多く干されてるのも少し気になった。
最初に見積する時も運び出す時も、なんだかんだで7~8回は彼女と言葉を交わす。

俺の性格として、現場では楽しく作業をしたくて、いつも明るく会話する。
そして、時々得意のオヤジギャグを入れてる・・・が、しかし、・・・
大概の人はクスッと笑ってくれるし、大笑いするおばちゃんもいるんだ。

それで現場が明るくなるし、俺も作業しやくなるし、物も軽く感じるんだが。
若くて綺麗な彼女は一切笑ってくれなかった。
むさ苦しいオヤジに変に話しかけられても嫌悪感が出るのかなぁ~~~