リサイクル親父の日記

第795話 どうしてこんなに劣化しちゃうの?

2014/03/26

時々、出張買取現場で物を前にビックリしたり解せなかったりする。
まぁ、俺はリサイクルのプロ(?)だから、色んな物をたくさん、長年にわたり扱ってきてる。
現品を見れば何がしかの瑕疵があっても、その原因までも見通せたりする。

仙台市青葉区のオタマヤ下(霊屋下って漢字です)の古いアパート3階。
30年以上は軽く経ってるので間取りが少々変な感じがする。
階段も急勾配で一部で柱が邪魔して狭かったりする。

通路床がペンキがすり減って剥がれて、コンクリートが凹んで剥き出しだったりしてる。
手すりが丸鉄パイプで塗り重なった塗料がうねってる。
青葉区片平の裁判所周辺から霊屋下経由で太白区八木山方面に結構通行量が多い。

密集地域で車が多いが、路駐するしかない。
アパート側には無理なので反対車線で少し離れて止める。
車の通行の隙間をかいくぐって小走った。

薄暗い階段をワッサワッサ駆けあがる。
現在は絶対あり得ない配置の彼の部屋。
ドアーを開けて小さい玄関、直ぐに部屋、続きの別区画に台所など・・・

そして、彼は洗濯機を台所の流しとガスコンロの手前に置いてた。
流しの前に立ってみると、直ぐ脇に洗濯機、水ホースは流しの蛇口に延長ホースを渡してた。
「ここしか・・置く場所無くて・・」彼はボソッと言い訳した。

俺は少し驚きつつ検品すると、洗濯機の上部蓋がガサガサしてる。
たかが4年の使用で酷く劣化するなんてあり得ない。
部屋の中に設置してあるのだ、暴露部で雨風と日照りに晒されてるのなら分からないことない。

「これは凄いですよ、どうやって使ってたの・・」
「・・いや~普通に、ふつうですが・・・」彼の声が弱くなった。
「そうですか・・上に何か置いたりしなかったんですか」

「フライパンとか鍋を・・」
「えっ、まさか熱いまんまで」
「時々・・・」

やっぱりね、そうでなくちゃ、こうはならないよね・・・
俺は自分の推理探求に酔ってしまった。