リサイクル親父の日記

第796話 失念してまして失礼

2014/03/27

毎年恒例だから、この時期は電話予約のメモを絶対忘れないように管理してる。
リサイクルショップと引っ越し業界は最大の繁忙期だろう。
特に、引っ越し業界はトラックが足りないってテレビ広告しちゃってるよね。

俺の店でも溢れるほど電話があって、こなせなくて断る事態になる。
こんな急上昇するって、本当に勿体ない。
できれば、年間平均してなだらかにこなせるのが理想なんだが・・・

需要と供給が崩れてて、俺らが主導できるなんてこの時期だけだね。
連日朝から数件こなしてる、その日も同じだった。
店に戻って一服つけて、おっとっと、タバコは止めたから、一服はつけてないな。

コーヒーを一杯口にして、そろそろトラックから下ろすそうかと考えた頃。
電話があった。
「あの~岩沼市XXのXXすすが・・・今朝9時半に来ていただくことに・・・」

俺はカレンダーを確認すると、「いえ~~岩沼の方ですか・・予約は入ってませんが・・・」
「そうですか・・間違いなくそちらですが・・・」彼女は困惑してる。
「他所と間違いではありませんか・・・ちょっと待って下さいね、もう一度調べますから・・」

カレンダーの次に岩沼市の住宅地図を引っ張り出したら、
オーマイゴッド、メモ用紙が挟まってて、彼女の言う通り、間違いなかったから~~~
「すいません、すいませんでした、すっかり抜けてました、申し訳ございませんでした」

「そうですか、気を付けて来て下さいね、お待ちしてます」
彼女の優しい言葉に俺はウルッと感動しながら岩沼に向かった。
小物類はドアーから運び出したが、アンティーク調ダイニングテーブルは難しそうだった。

「運んだ時に引越し屋さんが凄く苦労してました・・・」と教えてくれた。
「ここのサッシ戸の方がイイでしょう、庭から植え込みを越して・・・」
俺と彼女で運び出して、俺は1人でトラックに運んだ。

幅90の高さ1m80のメタルラックもサッシ戸から出すつもりだったが、俺が戻ると、
彼女は「こっち方が楽ですよ」と玄関に持って行ってた。
確かに傾斜できるので楽勝でクリアできるのだ。

「そうですよね、ラックだから楽だって言いますよね」
俺はくだらない洒落にならないことを言ってしまった。
心から本当に申し訳ないことをしてたり、言ったりしてしまった。