リサイクル親父の日記

第800話 イケメンはイケンメンって、どう?

2014/03/31

朝夕も暖かくなってきて爽快感が気持ちイイのは俺だけじゃないだろう。
ついこの間まで雪とか極寒で凍えたりしたのが嘘みたい。
桜も北上してきてて、仙台も4月中旬ごろって感じだ。

アパートやマンションはドアーを開けてても勝手に閉まるものもある。
だから、俺は台車を引っ繰り返してドアー止めにする。
搬出が終わるまでドアーが全開してるから、部屋に外気が入ってしまう。

以前は寒気が部屋を冷やしてしまい、小さな子供さんには迷惑をかけてしまう。
中規模マンションからの冷蔵庫や洗濯機の買取だった。
電話は女性からだったし、てっきり独身だと思ってた。

ドアーが開いて通路に上がると、部屋に男性がヌーッとしてる。
話がまとまって運び出しになった。
玄関近くの洗面所に洗濯機があって、ホースを外す作業をする。

作業が終わったから洗濯機を持ち上げて外に運んだ。
部屋に戻ったら、彼が冷蔵庫の上のレンジを移動しようとしてた。
実は冷蔵庫内に食べ物類がかなり入ってて、彼女が先に取り出しをやってたのだ。

その時、俺は彼の近くに行ったのだが、これがイケメンなのだ。
俺より10cmは背が高い、体重は20kgは痩せている、色は白く鼻は高く目は大きい、全てが優れてる。
無口だから声や話し方が想像できないが、きっとイイに決まってる。

彼女も化粧はしてないが、目鼻立ちイイのは一目瞭然だから、お似合いのカップル。
その時、彼女がレンジのアースコードに気づくと、「これ、外さないと・・」
彼は悟ったように、アースコードを壁から外そうと試みる。

しかしキャップを持ち上げて、ネジで押さえられてるコードは素手では絶対外せない。
彼は仕組みが分かってないのは直ぐに分かった、外すポイントがずれてるのだ。
「そうじゃないですよ、俺がやりますから・・」そう言って彼を遠ざけた。

いつも持ち歩いてる短ドライバーを取り出して、その先でキャップをめくり上げて、サッサとネジを緩めて、
アッという間にアースを外したのさ・・・
彼女の前で恰好よくできたのが何となく嬉しくってさ。

イケメンは「いけんメン」だったと親父ギャクを噛みしめた。