リサイクル親父の日記

第808話 黄色いカボチャだよ、たかが・・・

2014/04/14

リサイクルショップとして何でも取り扱う気持ちでいる。
買取で珍しい物があると、俺は何故か嬉しくなる場合がある。
だから一般的な日常品の家電や家具よりも、珍品がワクワクしちゃう。

実際に売れて幾ら儲かるかということじゃなくて、俺にとっての好奇心の満足度だけの話。
知らない物や初めて目にする物、手にする物を仕入れるって胸躍るね。
長年リサイクルショップをやってきてるので、かなりな品々を扱ってはいるが、・・・

しかしそんな経験なんて、世の中の森羅万象からすればほんの一握りでしかない。
世間で流行ってる物、流行の最先端品、時に出会うと何故か嬉しい。
しかし、なかなか買取交渉が難しくて、思うように成立しないのも事実。

その状況の中で、黄色いカボチャのオブジェ、黒色水玉模様がランダムに入ってる。
直径10cm未満でグンニャリと不細工に変形してる、でも面白くて可愛らしい。
超有名な例の作家のデザインで、俺もテレビで知った程度だった。

何となく店で商品としてあったらイイのになぁ~と漠然と思ってはいた。
それが手に入って、ガラスショーケースに陳列できたのだ。
ところが、常連客さんたちにとっても不評なのだ。

買う意思が無いし、買う訳もないのは分かりきってた・・・
かれらの不評の原因が色々あって、俺の何故か納得せざるを得ない感じを受けた。
「なに、これ!!どうしこれが何万円もするの、おかしいわよ!」

「どうして、これが・・・誰が買うの??」
他のお客さんがたも似たり寄ったりの感想を口にした。
常連さんも初めてのお客さんも、実は安さを、本当の安さを求めてるのが本音だろう。

例えば、似て非なる物だが、絵画などだと嫌悪感を持った拒絶はしない。
そのカボチャが1~2千円であれば、納得してくれるかもしれない。
価格に対して非常にシビアなのだといつも感じてる。

想像通りの反応だったし、聞かれて説明する時の俺は優越感が持てる。
決めセリフは、ルイヴィトンでデザイン化されてるのよ、なのだ。
その途端に、反応が180度変わるから不思議でもある。

売れることなんてあり得ない、たかが黄色いカボチャのオブジェ。
年配の男性が一目で分かって、歳の若い奥さんが凄く魅かれたらしい・・・
店を出て車に乗って少し動いて、それから車が止まってた。

再度2人が戻ってきて、「どうしても・・彼女が欲しいって言うから・・・」
見事に売れてしまった。