リサイクル親父の日記

第812話 今度引越しで・・2人で・・

2014/04/23

急いでた電話だった。
今日今直ぐに来て欲しいというから、もう夕方だから無理だった。
それではできるだけ早くてイイから、いつになりますか?と問うてきた。

「明日の朝ですね、2~3予約があるから、その後の9時ごろですね」
「明日の夕方5時にしてもらえると・・助かりますが・・・」
「夕方はやらないです、だからウチでは対応できないですね」

普通は破断なのだが、「イイです、朝でイイです、分かりました」
こんなやりとりでまとまった買取だった。
翌日の約束時間に彼女は遅れてきた、引越し先から電車を乗り継いで来たらしい。

「南仙台に引越して・・そこから電車で・・・」
「仙台駅で仙山線に乗り継いで、東照宮駅から歩いて・・・結構時間かかったでしょう」
少し時間が遅れてムッとしてた俺は、事情を知って逆に申し訳ない気持ちが湧いた。

検品を終えて問題はなかった。
「・・あの・・これもできれば・・お願いしたいのですが・・・」
4~5点の小物入れやマットを持って行って欲しいと頼まれたが、綺麗だったから請け負った。

「・・今度の所には、みんな揃ってて、二人で暮らすんで・・・、ここのは小型で間に合わないから・・」
洗濯機はたった3Kg容量しかない超小型、冷蔵庫も100L未満だったんだ。
よくある話で、若い2人がくっついて暮らす時、それぞれが余ってしまう。

要らない方を売りに出すケースだ。
「さっき南仙台って言ってたけど、そっちに引越したんですか?」
「南仙台駅の近くのマンションです」

「へぇ~~俺の店の近くですよ、電車だと大変ですから、トラックでよければ送りますよ」
そんな展開で、彼女を同乗させて俺らは3人でトラックに乗った。
その時、彼女が話すことにちょっと涙が・・・

県南部の山元町で暮らしてたが、3.11で津波がきた。
お母さんと2人でやっと逃げたが、家は流されて、仮設暮らしを余儀なくされてた。
できれば名取市に住みたいと思ったが、適当な物件が見つからなかった。

仕事の関係上、最小公約数的に南仙台駅付近で妥協した。
彼女は2年前に就職してアパート暮らしを始め、今回お母さんと2人暮らしを再開するそうだ。
「お母さんが・・大変だったわ・・・看護師で、仮設から病院に通ったの・・・」

「わたしも・・お母さんを助けないと・・色々忙しいから・・」
俺は感傷的になってしまう。
でも、あえて明るくベランメエに言ってしまった。

「ホントは、お母さんに全部やってもらう癖に、何にもしないんだろう」
「そんなことありませんから!!!」
小鼻を上に向けて言いかえしてきたから、きっと大丈夫だよ。