リサイクル親父の日記

第813話 人に言えない話  

2014/04/26

小さい時に幽霊を見たいと思った。
小学低学年の頃で夏休みに友達と夜更けにお寺の古池に行った。
恐かったね、ビクビクしながら池の周りで待ったが・・・見られなかった。

やはり同じ頃、近くの山の小さな洞窟に入ったら、ひんやりしてゾォ~ッとした。
バタバタと音がして、何匹もの蝙蝠が飛んで逃げたんだ。
高~い木の枝から風呂敷のような物が落下して飛んだのも見た、ムササビだ。

小学高学年になると興味が無くなって、宇宙とか海外のことにシフトしてしまった。
中学だと部活だったな、だけど理科や科学を知ると世の中は何でも解明できると思うようになった。
怪奇現象も幽霊やお化けも簡単に信じる訳にもいかず、以来、全く興味が薄れて面白くも感じない。

ところが、最近夜7時頃だった。
何気なく南の空を眺めたら、歩いてた時なんだけど、斜め上方30度はるか遠方に白い小さな光が見えた。
きっと飛行機の明かり、或は金星か何かだろうと思った。

若い頃は船乗りだったから、星のことも少し知ってるし、飛行機の明かりも知ってた。
その光が下の方から右45度上方に移動してる。
あんなに遠いのに動きが早いな~~、きっと飛行機、待てよ、人工衛星かななんて思った。

・・と・・それが急にガクッと真下に動いたら、真横に移動するではないか・・・
これはあり得ない動き方だと思ったし、どうして見えたんだろうと不思議でしょうがない。
だから、きっと俺が疲れてたとか、要するにいつもと違って正常じゃないんだと・・・そう思うことにした。

この話は誰にも言えないな、言わない方がイイぞって、だって俺はUFOを信じることができないし・・・
その数日後に常連のお爺さんが来て、「イイのを見つけた、これくれ」って望遠鏡を買った。
もう何年もの顔見知りだし、時々世間話をする仲だ。

「ウチからね星を見るんだよ、実は今までUFOを2度見てる、1回は家族と一緒に・・」
少し興味が湧いて、「へぇ~~いつごろですか、何処でですか・・」なんて水向けちゃいました。
するとお爺さんは夢中になって細かく説明してくれました・・・

それで俺も「実は最近見ましたよ」と白状しちゃいました。
「ねぇ、いるんだよね、分かるでしょう」お爺さんは凄く喜んでくれた。
同時に俺は少し思いが軽くなった。