リサイクル親父の日記

第825話 実は骨董屋を・・・

2014/08/13

その年配の男性、歳の頃は60代後半くらいだろうか・・・
数日前に刀掛けを真剣な表情をして選んで、それこそ厳選して買った方だ。 
「買取して欲しいんだが・・・車に積んであるから見てくれない・・・」

店の外壁や店内に買取アピールをしてるから、お客さんが持ち込む場合もある。
買取が多いのは大歓迎だし、「今、行きます」と彼の後を追った。
乗用車の後部座席に茶釜が2セット、釜と風炉それらは少し古いが骨董とまでは言えず、共箱もない。

「練習用ですね、片方は内部の錆が酷いし・・・安くしか買えませんけど・・・」
「ウン、分かってる、どうせ処分するんだから、言い値でイイよ」
カウンターで領収書をもらう時雑談になったら・・・・

「まだ・・家にそうねぇ・・一部屋ギッシリ詰まってて困ってるんだ、おいおい片付けようかと・・」
俺は「どうして、そんなにたくさん、趣味ですか・・」
「実はさ、骨董屋を2年間やってので、その時の物・・・全然、売れずに・・止めちゃってね」

先日買った刀掛けは日本刀を写真撮りするのに使うという。
刀は5振り持ってて、6~7年前に7~8百万円つかった。
「買う人が見つからず、売ろうとしても2~3割になるかどうかだし・・・」

定年退職してから趣味が高じて骨董屋さんを家賃のかからない店で始めた。
ところがどっこい、売れないし、家賃かからにと言っても留守番の人件費や諸経費で赤字がかさむ。
我慢もしきれなくなって見切った。

骨董は好きだが、店用に何でも品揃えしたので、実は趣味以外の物も多数ある。
これからは処分するのは処分して、本当に好きな物だけを持つようにするそうだ。
「・・だから、時々、持って来るけど・・」

「ウチで行っても構いませんよ、まぁ、どちらでも・・・」
・・・
確かに、骨董のセリに行っても感じるのだが、骨董専門に商売してる人って実は少ない。
何かしらの本業があって、趣味の延長、或はセカンドビジネス的にやってるのが多い。